
米国の官民気候変動イニシアチブ「America is All In」は10月28日、国連気候変動枠組条約第30回ベレン締約国会議(COP30)に先駆け、現在と今後の米国での気候変動政策の見通しを分析した報告書を発行した。
【参考】【アメリカ】America is All In、米国のパリ協定脱退で声明。非国家主体で気候アクションを継続(2025年1月23日)
同報告書は、第2期トランプ政権による反気候変動政策下でも、民主党州を中心とした州政府や地方自治体の気候変動政策だけで、2035年までに米国の温室効果ガス排出量を44%削減できる可能性があると分析。さらに、第2期トランプ政権が終了する2028年以降に連邦政府が気候変動対策を再開し、他の州や地方自治体でも関連政策が強化された場合、2035年までに56%削減が可能とした。
(出所)America is All In
これらのシナリオ分析は、メリーランド大学のグローバル・サステナビリティ・センターが実施した。
削減を大幅に達成するための気候変動政策の内容は、基本的には前バイデン政権中の政策が想定されている。具体的には、再生可能エネルギーポートフォリオ基準(RPS)とクリーンエネルギー基準の拡大、クリーンエネルギー技術への税額控除と化石燃料発電所規制の強化等。最も削減率の大きい56%削減シナリオでは、2035年までに電力系統の80%がクリーン化され、総発電量に占める太陽光発電及び風力発電の割合が55%に到達。削減努力のない(Unabated)天然ガスの割合は23%に低下し、削減努力のない(Unabated)石炭発電は2035年までに完全に廃止され、主に再生可能エネルギーと一部のCCS技術に置き換わる見立て。
また、メタンの削減も重視しており、連邦政府による石油・ガス分野のメタン規制と農業分野のメタン排出削減インセンティブの刷新に加え、石油・ガス分野のメタン規制や埋立地のメタン回収・廃棄物転用努力の強化に向けた広範なボトムアップ型行動を想定。これにより、2035年までにメタン排出量の総削減率は37%、エネルギー部門からの削減率は2021年比で63%に達すると見通した。
同報告書では、現政権下でも州や地方自治体が採用できる各種の気候変動政策を紹介。より多くの州や地方自治体に対し、地方レベルからのボトムアップ政策を強化するよう呼びかけた。
【参照ページ】Despite recent policy changes, report finds action by state and local governments can help keep the U.S. in line with the Paris Agreement goals
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