
国連食糧農業機関(FAO)は10月29日、国連生物多様性条約第17回エレバン締約国会議(CBD COP17)の場で、各国政府向けの「統合的土地利用計画(ILUP)ガイドライン」の改訂版を発表した。1993年の策定以来初の大規模改訂。地理空間技術、デジタル情報システム、土地評価、多基準分析、意思決定支援システム等の進歩を反映した。
同ガイドラインは、食料生産、気候変動対策、生物多様性保全、土地劣化の回復を一体で進める計画手法を提示した。行政主導で土地の用途を決める従来型の計画から、地域住民や土地利用者を意思決定の中心に据え、科学的データと協議・交渉を組み合わせる仕組みへの転換を重視している。
背景には、限られた土地・土壌・水資源に対する需要の増大がある。同報告書が引用するFAOの推計では、2050年の農業には、2012年比で食料、飼料、バイオ燃料、繊維の生産量を約50%増やすことが求められる。一方、人為的な土地劣化の60%超は農地や牧草地で発生している。生産基盤の劣化が進む中、都市化やインフラ開発も土地需要を押し上げており、用途ごとに個別最適を追求する方法では、食料安全保障と自然環境の維持を両立しにくくなっている。
同ガイドラインが扱う「土地」は、…
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