
国連食糧農業機関(FAO)は11月3日、農業・食料の年次報告書「世界食料農業白書(SOFA)」の2025版を発行した。内容面で、人間活動による土地劣化が収量に与える影響について最も包括的に分析した。
同報告書は、土地劣化を「土地が提供する生態系サービスの持続的低下」と定義。土地劣化は、単一の要因で生じることは稀で、通常は複数の要因が複合的に作用している。具体的には、土壌侵食や塩類化等の自然要因に加え、近年支配的になりつつある人為的圧力も含まれる。森林伐採、過放牧、持続不可能な耕作・灌漑手法等が現在の主要な要因となっており、農業生産性に深刻な影響を与えることから、今回の報告書は特に人為的土地劣化に焦点を当てた。
FAOは分析に際し、負債ベースのアプローチを採用。3つの主要指標(土壌有機炭素、土壌侵食、土壌水分)の現在価値を、人間活動のない自然状態における条件と比較した。当該データは、環境と社会経済の双方の変化要因を統合した機械学習モデルで処理され、人間干渉のない土地をベースラインとし影響を推定した。
その結果、人為的土地劣化により作物収量が10%低下した地域に住んでいる人口は現在、…
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