食品世界大手米カーギルは7月15日、タンザニア・ザンジバル諸島のウングジャ島とペンバ島の海藻養殖事業の生態系保護と所得向上のためのプログラムを発表した。国際NGOザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、現地企業C-Weed Corporation、ザンジバル政府(タンザニア内自治政府)、ザンジバル市民と協働する。
海藻養殖は、ザンジバルの主力輸出品目産業で、25万人を雇用。そのうち女性が8割を占めている。海藻は、チョコレート、ヨーグルト、化粧品等の原材料としての需要が増加しており、今後も生産量を増やすためには、サステナビリティの観点が非常に重要となってきている。一方で、気候変動や沿岸部開発、養殖ナレッジ不足等により、養殖事業者が抱える課題はむしろ増えてきている。
同プログラムでは、養殖事業者と協働し、ベストプラクティスを共同開発する。まず第1弾として、TNCが農家100人以上に対し、用地選定、設計、養殖管理の観点から、生産性を高める研修を行う。それと同時に、海岸や水系の海草、マングローブ、海洋ごみに関する環境負荷削減も行う。ナレッジの普及では、水産事業者の中で有望な個人を「ビレッジ・インプリメンター」として選定し、他の養殖事業者への普及役を期待する。
長期的には、現地の政府や研究機関との協働を進める。それにより、地域固有の状況に応じたソリューションを開発する。また生産者から消費者までのトレーサビリティについても構築していく。
今回のプログラムは、カーギルとTNCが進める食品サステナビリティのためのパートナーシップの一環。現地企業C-Weed Corporationは、カーギルのサプライヤーとして以前から付き合いがある企業で、両社でタンザニアの2,500社から海藻を調達している。カーギルは2019年、紅藻養殖のサステナビリティためのプログラム「Red Seaweed Promise」を立ち上げていた。
【参照ページ】The Nature Conservancy Aims to Conserve Marine Environments While Boosting Local Incomes in Tanzania
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