世界経済フォーラム(WEF)は11月11日、各国政府当局に向け、自動運転車(AV)に関する規制策定フレームワークを提示した。「Disengagement」と呼ばれる現在の自動走行安全性評価手法は時代遅れとし、パフォーマンス軸でシナリオ分析評価を行う手法を提唱した。
今回の規制フレームワークは、世界経済フォーラムの「Safe Drive Initiative」がまとめたもの。同イニシアチブは、マッキンゼーが主導しており、検討作業では、フォルクスワーゲン、アマゾン、エヌビディア、AAA、 A3 Ventures、dRISK、Deepen.ai、Starsky Robotics、dSPACE、Autonomous Driving Alliance等も加わった。日本企業は検討作業に招かれなかった。
現在、自動運転車の安全性評価は、自動走行モードから人間ドライバーの主導運転モードに切り替えた回数を当局に報告する手法が主流で、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)等が採用している。しかし、モードの切替回数では、必ずしも自動運転車の安全性を把握できるわけではなく、自動運転を推進する企業からは、安全性評価に対する別のアプローチを求める声が高まっていた。
そのため今回、世界経済フォーラムは、新たにシナリオ分析を軸とした「SafeDIシナリオベース自動走行車規制フレームワーク」をまとめた。同フレームワークでは、安全性に関する評価軸を設計し測定評価することを重視し、「準備」「定義」「測定」「実行」の4つの規制ステップを用いることを提唱した。さらに規制策定作業では、自動運転に関する高い知見が必要となるため、業界リーダーを巻き込むことが重要と打ち出した。
今回のフレームワークは、人間が運転免許取得のために技術テストを受けることになぞらえ、「バーチャル運転免許」という表現も用いた。運転免許のように、必要なスキルや確認項目を定め、それの評価を行うという概念。
今後、世界経済フォーラムは、同フレームワークに関心を示す行政と協働し、フレームワークの実効性を示す実証プログラムに入る。
【参照ページ】Roadmap to ‘Virtual Driver’s licence’ for Autonomous Vehicles Can Accelerate Development While Making Roads Safer
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