国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、Urgewald、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Reclaim Financeの7団体は3月29日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report 2022(化石燃料ファイナンス・レポート2022)」を発表した。
同様のレポートは今年で13回目。当初は「Reportcard on banks and mountaintop removal」という名称だったが、2013年に「Coal Finance Report Card」に改称。さらに2016年から「Fossil Fuel Finance Report Card」という名称となり、石炭だけでなく問題性の高い化石燃料にまで分析対象を拡大した。今年からは「Fossil Fuel Finance Report」とさらに名称が短くなった。
今回の分析メソドロジーは、化石燃料の採掘、輸送、消費、貯蔵に関わる2,700社を対象とし、当該企業への融資・有価証券引受額を銀行毎に算出した。算出対象は世界大手60銀行。また、石炭採掘、石炭火力発電、オイルサンド、北極圏原油・ガス開発、オフショア原油・ガス開発、シェールオイル・ガス開発、液化天然ガス(LNG)については個別に融資・有価証券引受額についても算出した。
(出所)Banking Climate Chaos
今回のレポートで、化石燃料ファイナンスの6年合計の最多の銀行は、JPモルガン・チェース。2位はシティグループ、3位はウェルズ・ファーゴ、4位はバンク・オブ・アメリカで、以前と変わらず米国4大銀行が上位を占めた。JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴは2021年の金額がむしろ増えている。
日本の銀行では、三菱UFJフィナンシャル・グループが6位、みずほフィナンシャルグループが8位、三井住友フィナンシャルグループが18位に入り、昨年と同じ。三井住友トラスト・ホールディングスは60銀行中60位で、2021年は新規融資・引受がなかった。
同レポートでは、石炭採掘、石炭火力発電、オイルサンド、北極圏原油・ガス開発、オフショア原油・ガス開発、シェールオイル・ガス開発、液化天然ガス(LNG)別の融資・引受額も公表している。
同レポートによると、世界の銀行大手60社の化石燃料ファイナンスは、パリ協定採択後の6年間で4兆6,000億米ドルに達し、2021年だけでも7,420億米ドル。2021年には、新型コロナウイルス・パンデミックでファイナンス額が停滞したが、2021年には2016年よりも総額が増加しているという。
【参照ページ】FOSSIL FUEL FINANCE REPORT 2022
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