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【日本】政府、7年ぶりに家庭と企業に節電要請決定。計画停電も。「電源不足日本」に突入

 日本政府は6月7日、電力需給に関する検討会合を5年ぶりに開催。「2022年度の電力需給に関する総合対策」を発表した。同会合は、官房長官が議長を務める関係閣僚会合で、東日本大震災後の2011年に当時に民主党政権が設置した。

 今回の会合では、経済産業省の総合資源エネルギー調査会電力・ガス基本政策小委員会でまとめられた2022年度の夏と冬の電力需給の予想を確認。2022年度夏季は、7月の東北電力、東京電力、中部電力の管内で、予備率3.1%と非常に厳しい見通し。冬季も、1月、2月に全7エリアで安定供給に必要な予備率3%を確保できず、東京エリアはマイナスの予備率と特に厳しい見通し。

 さらに、ロシアのウクライナ戦争で、エネルギー情勢が一変した結果、燃料不足により火力発電が必要な時に発電できなくなるおそれがあるとした。

 対策としては、家庭と企業の双方に対し、大規模な節電を促すことを決定。全国規模の節電要請は2015年度以来となる。今回、検討段階では、企業に強制的な節電目標を課し、違反時には罰則を科す案も浮上したが、今回は見送った。但し、数値目標付きの節電協力要請の検討を開始。都市ガスについても原料調達リスクを踏まえた需要面での対策を検討するとした。

 需給逼迫時には、前々日に「電力需給ひっ迫準備情報」を発信することにより注意喚起を行い、前日に「電力需給ひっ迫警報」または「電力需給ひっ迫注意報」を発令する。但し、これでも逼迫を解消できない場合は、「使用制限令の検討とセーフティネットとしての計画停電の準備」として、強制的な計画停電に踏み切る。

 供給面では、これ以上の電源減少を避けるため、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギー発電での保守を徹底。燃料確保では、2022年冬季以降に向けては、LNGの調達を国が主導する体制を強化する。また、休止中の電源の稼働確保を進める。これには休止中の原子力発電の再稼働も含まれるが、安全対策に目をつぶり、緊急稼働させれば、当然大きなリスクとなる。

 今回の決定では、今回の状況を機に、「エネルギーの安定供給」を謳い文句にすることで、原子力発電の再稼働、さらに石炭火力発電の延命を図りたいとの思惑も、強くうかがえる。今後の試金石は、今回の決定にも盛り込まれた「容量市場」の今後の設計改善で、どこまで再生可能エネルギーの普及、及び原子力発電所の安定稼働の方針が反映できるかとなる。

【参照ページ】2022年度の電力需給に関する総合対策を決定しました

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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