Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【アジア】東京で「CSRアジア東京フォーラム2014」が開催 2014/02/27 最新ニュース

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2月25日、東京都港区の電通ホールで「CSRアジア東京フォーラム2014」が開催され、企業のCSR担当者や行政担当者、NGO・NPO関係者など多くの参加者が集まった。

CSRアジアは2004年に香港でイギリス人のリチャード・ウェルフォード氏によって設立されたCSRコンサルティングファームで、香港、東京以外にもバンコク、クアラルンプール、シンガポール、ジャカルタなどに拠点を置き、今年で創設10周年となる。

午前の部では、CSRアジア創設者で会長を務めるリチャード・ウェルフォード氏による挨拶に始まり、ミャンマー・マンダレー・テクノロジー創設者のゾウ・ナイン氏、アディダス・グループ中国でCSR総括責任者を務めるサブリナ・チャン氏による講演が行われた。

ゾウ・ナイン氏は「CSRとコアビジネスの統合」というテーマで、ミャンマーにおける自社のCSRの取り組み事例について共有した。。同氏によれば、ミャンマーでは2008年5月に起こったサイクロン・ナルギス(死者15万人・被害者数2,400万人)をきっかけにCSRという概念が徐々に広がり始めたとのことだ。

ミャンマー・マンダレーテクノロジーはミャンマーにおけるGIS(Geographic Information System:地理情報システム)のリーディングカンパニーで、サイクロンの発生後、災害対策のためのGISトレーニングプログラムを政府関係者や企業、NGO関係者などに向けて開始し、既に500人以上が受講しているという。

このプログラムの利点は、短期・週末開催・リーズナブルな価格設定・企業が提供するGISデータが提供されるなど、他にはない独自性にある。GISデータは一般的には軍事用途で使用されることなども多く、こうした災害対策活動も一見したところ政府や行政の役割のようにも思えるが、同氏は、ミャンマー政府は災害対策以外にも様々な政治的問題や優先事項を抱えており常に多忙なため、政府の代わりに企業が積極的に自社の強みを活かして社会のニーズに応えていくことが重要だと訴えた。

続いてアディダス・グループ中国のサブリナ・チャン氏が登壇し、同社のサステナビリティ戦略についてサプライチェーンの話を中心に講演を行った。アディダスはドイツに本社を置くスポーツ用品メーカーだが、製品の多くは中国のサプライヤーによって製造されている。そのため、中国国内におけるサプライヤーの労働慣行や環境への取り組みが非常に重要となる。

同社では厳しい監査基準を設けてサプライヤーの労働環境改善を実施しているほか、中国の水処理分野における環境への影響削減の取り組み、サステナブル製品の販売など、グローバル本社が統括する一貫したサステナビリティ戦略に基づいて様々なCSR活動を展開している。

サブリナ・チャン氏からは、同社は2015年までに15%の環境フットプリント削減という目標を掲げているが、その目標を達成する上では各国のニーズに沿った製品展開・製造ラインを設けることが逆にハードルになること、サステナビリティ報告を中国語に対応したことで中国国内における同社のCSR評価が大きく向上したこと、コミュニティ投資への取り組みについてなど、実務を担当する同氏ならではの具体的な事例が数多く共有され、参加者の多くが真剣に耳を傾けていた。

そして、午後の部では会場を2つに分けて合計6つの分科会が行われた。CSRアジアからは会長を務めるリチャード・ウェルフォード氏により「共通価値の創造(CSV)」「企業による社会課題解決のためのパートナーシップ」というテーマで、コミュニティ投資責任者を務めるメイベル・ウォン氏により「戦略的なコミュニティ投資」というテーマでそれぞれ講演が行われた。

また、富士ゼロックス株式会社にてCSR部推進グループ長を務める渡辺美紀氏は「アジアでのCSR調達」について、午前にも講演したゾウ・ナイン氏は「ミャンマーで成功するCSRと日本企業への期待」、サブリナ・チャン氏は「中国におけるコミュニティ投資のインパクト測定」についてそれぞれ講演を行った。

CSRアジアのプレゼンターからは戦略や効果測定などに関する体系的な理論や考え方が中心に共有され、事業会社のプレゼンターからはより具体的な事例や取り組み、現状抱える課題などが中心に共有された。

CSVを実現するための戦略フレームワーク、企業とNGOの連携、コミュニティ投資とその効果測定の方法、CSR調達と現状の課題など、いずれの分科会も非常に実務に近く興味深いものばかりで、盛りだくさんのプレゼンテーション内容に参加者からも質疑応答が絶えなかった。

今回のフォーラムは、企業のCSR担当者にとってはアジアの最前線で活躍する経営者やCSR責任者の具体的なエピソードや苦労、事例を生で聞くことができる非常に貴重な機会となった。

次回の「CSRアジアサミット 2014」は9月16日、17日にタイ・バンコクで開催される。昨年にバンコクで開催されたサミットでは31の国や地域から約450名が参加し、世界中からCSR関係者らが集まった。CSRアジアサミットはアジア最大級のCSRに関する国際会議であり、アジアの最新CSRトレンドや先進企業のグッドプラクティスを知り、世界各国のCSR担当者のネットワークを構築する絶好の機会だ。興味がある方はぜひ参加をおすすめしたい。

【企業サイト】CSRアジア
【イベント】CSRアジア東京フォーラム2014

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る