
科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は4月9日、長期削減目標基準「ネットゼロ・スタンダード」で、カーボンクレジットを温室効果ガス排出量スコープ3の削減用途に用いる「カーボンインセット」を公式に認めることを決定した。
SBTiは1月、ネットゼロ・スタンダードの改訂作業を2024年の優先業務と発表。その中で、補助ガイダンスも改訂し、カーボンインセットの考え方を整理することも公言していた。
今回の決定では、科学的根拠に基づく方針、基準、手続が確保されれば、スコープ3排出量削減を目的としたカーボンクレジット等の環境属性証明書(EAC)の活用(カーボンインセット)が、適切な気候変動対策として機能すると判断した。SBTiは7月までにカーボンインセットに関する基本ルールや閾値を定めたルールブックの原案を発表する予定。
SBTiはカーボンインセットで使用されるクレジットの品質基準については、別の団体が適切な立場にあり、自身では設定しないと名言。同日、ボランタリーカーボン市場の国際ルール策定イニシアチブ「ボランタリーカーボン市場インテグリティ・イニシアチブ(VCMI)」は、今回のSBTiの決定を歓迎する声明を出し、SBTiと協力して、品質確保の役割を果たしていくことを表明した。
すでにVerraは2023年10月、カーボンインセット目的でのカーボンクレジット活用をレジストリーの「除去理由」として選択できるようにしている。
【参考】【国際】Verra、クレジットの除去理由に「企業排出インベントリー会計」追加。インセット可能に(2023年10月17日)
【参照ページ】Statement from the SBTi Board of Trustees on use of environmental attribute certificates, including but not limited to voluntary carbon markets, for abatement purposes limited to scope 3
【参照ページ】Statement: VCMI welcomes SBTi’s recognition of environmental attribute certificates for scope 3 abatement purposes
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