英政府施設庁(GPA)は3月25日、同庁が管理する公共施設に関し、「生物多様性と自然再生のための付属文書(BNRA)」を発行し、「サステナビリティとネット・ゼロのための付属文書」も改訂した。
英政府は、すでに、イングランド地方での住宅、商業施設、インフラの新規開発で、11月以降に「生物多様性ネットゲイン(BNG)」の確保を段階的に義務化するルールを制定しており、今回の付属文書は、公共施設の建設で同ルールを遵守するための措置となる。
【参考】【イギリス】政府、不動産開発事業者に「生物多様性10%ネットポジティブ」義務化。クレジット制度も(2023年3月1日)
生物多様性ネットゲインの義務化では、不動産や施設の新規建設に際し、資材の生産、建設、不動産及び施設の運用までをスコープとし、引き起こす生息場喪失を計算し、それを10%上回る生息地の再生を実現することを義務化している。生息地の再生では、オンサイトとオフサイトの双方が可。いずれでも達成が困難な場合は、今後新設される生物多様性クレジット制度を活用し、同クレジットを購入することで義務を履行できる。
生物多様性と自然再生のための付属文書(BNRA)では、生物多様性10%ネットポジティブ」の法定義務を履行することを明確にし、設計の段階から、生物多様性の悪影響を低減していくことを方針として掲げた。また熱暑、旱魃、洪水へのリスク対策でも、自然を軸としたソリューション(NbS)を用いる。
また、景観のための植林等では、在来種を90%以上にする。蜂等の送粉者保護のためには外来種を10%導入する。開発段階ではBREEAMエコロジーに基づく評価を必須とし、英独立行政法人Nature Englandが策定した「Urban Greening Factor」の新規開発プロジェクト区分で0.3以上の取得も必須とする。
【参照ページ】New guidance to improve biodiversity across government estate
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