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【アメリカ】SEC、気候関連情報開示ルール執行を一時停止。賛否双方からの訴訟相次ぎ

 米証券取引委員会(SEC)は4月4日、3月に最終決定した気候関連情報開示ルールに関し、第8巡回区連邦控訴裁判所での差止請求司法審査が完了するまで、同ルールの執行を停止すると発表した。

 同ルールは3月8日、5人の委員のうち、賛成3、反対2で僅差で採択された。しかし、最終ルールに対しては、賛成派と反対派の双方から批判が集中。環境NGOが大幅に緩和された最終ルールに異議申し立てる一方、共和党優勢の9州政府は、SECの法的権限を逸脱しているとし、最終ルールの撤回を求めて提訴すると表明していた。

【参考】【アメリカ】SEC、気候関連情報開示ルール最終決定。スコープ3撤回、小型株企業はCO2開示免除(2024年3月8日)

 実際に、3月6日から14日の間には、ルイジアナ州、アイオワ州、ウェストバージニア州や、米国商工会議所、テキサス州エネルギー生産者連合等が第5巡回区連邦控訴裁判所に差止請求司法審査を求め提訴。3月8日には、リバティ・エナジーとNomad Proppant Servicesの2社が、差止請求司法審査とともに行政差止めを求めて提訴。3月15日に第5巡回区連邦裁判所は、行政差止め命令を発出したが、3月19日にSECが、広域係属訴訟司法委員会に対し、訴訟の一本化を要請し、3月21日に第8巡回区連邦控訴裁判所での一本化を決定。これにより第5巡回区連邦控訴裁判所は3月22日に行政差止めを解除した。

 その後、3月26日には第8巡回区連邦控訴裁判所に対し、リバティ・エナジーとNomad Proppant Servicesの2社が、差止請求司法審査と行政差止めを求めて再び提訴。同日には、テキサス州ビジネス協会、ロングビュー商工会議所も、司法審査差止請求を求め提訴した。3月29日には、SECは、第8巡回区連邦控訴裁判所に対し、各訴訟の原告側に準備書面を調整した上で提出するよう求める「Consolidated Briefing Schedule」を申し立てたが、4月1日に31人の原告側は、「Consolidated Briefing Schedule」に反発し、原告側が提訴に迅速に応じ、準備書面を作成するよう求める申し立てを同裁判所に行った。

 今回の決定は、賛成派と反対派の双方からの訴訟が相次いだことが背景にある。SECは、最終ルールに関して準拠法に合致しており、投資家が投資や議決権行使の意思決定を行う上で重要な情報の開示を求めるSECの権限の範囲内との見解を堅持。したがって、法廷においても最終ルールの有効性を精力的に擁護し続け、訴訟の迅速な解決を期待するとの立場を示した。そのうえで、裁判での司法審査をスムーズに進めるため、同ルールの執行を停止したと説明した。SECは「司法が必要とする」と判断した場合、司法審査が終わるまで規則を停止する裁量権を有する。

【参照ページ】Other Commission Orders, Notices, and Information Rule: SEC Issued Version

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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