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【国際】FAOとILO、農業分野での児童労働防止にむけたEラーニングの提供開始 2016/07/10 最新ニュース

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 国連食糧農業機関(FAO)と国際労働機関(ILO)は6月13日、農業分野における児童労働を根絶するためのキャンペーンの一環として、新たなEラーニングコースを開設した。Eラーニングコースでは、貧しい小農家が児童労働を防止するための取り組み事例などが紹介されている。これにより、サプライチェーン上に児童労働を抱える企業、政策関係者、研究者、コンサルタントなどが児童労働の実態や児童労働を防止するための具体的な方策を習得できることができる。コースの内容には、関連分野である畜産業、林業、漁業の各分野にも触れられている。

 2012年のILOによるデータによると、現在世界的全体で児童労働者が1億6,800万人おり、そのうち8,500万人が危険・有害労働に従事しているという実態だという。児童労働とは法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童(就業最低年齢は原則15歳、健康・安全・道徳を損なう恐れのある労働については18歳)によって行われる労働のことをいう。とりわけ、全世界の児童労働者の約60%に相当する1億人の少女少年が農業分野で働いている。

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 農業に従事するすべての子どもが児童労働と定義されるわけではない。農業への部分的な関わりは知識を増やし、スキルを磨くのに役立つ場合もある。しかし長時間労働や危険な作業は年齢的に適しておらず、健康や勉学に害を及ぼしかねない。今回のコースでは、児童労働の需要を減少させる方法や、労働力を節約するノウハウについての情報等を提供し、危険な労働状況を減らし、より安全な農業実践に向けたものだ。

 例えば耕作に使う雄牛の適切なトレーニングのような単純な事でも事態は改善する。雄牛が適切に調教されていないところでは、子どもたちが雄牛を引き具で誘導する際に危険を伴うものとなる。また多くの国では、子どもたちは雑草刈りをしているが、その時間を節約する技術の習得や複数の作業の併行、例えば列植と機械による除草との組み合わせ等により子どもの労働力への需要を減らすことができる。さらにアフリカでは、エネルギー効率のよい新たな魚類乾燥用オーブンを導入することで、子どもが有害な煙に曝される機会や薪を集める作業が減ってきている。

Eラーニングコースの内容

コース全体の所要時間は12時間、構成は7ユニット15レッスンで、1レッスンにかかる時間は30~65分。

ユニット1
農業分野での児童労働:コースの概要、児童労働の状況、有害な仕事について

ユニット2
ステークホルダーの特定と調整・協調:農業分野での児童労働根絶・削減の目標に向け、ステークホルダーの分類(農業、畜産業、林業、漁業)と、計画の立案、実施、モニタリングに関わるステークホルダーやパートナーの相互関係の構築

ユニット3
データの収集、評価、使用:農業分野での児童労働に関する既存データの収集と使用方法、情報ギャプの発見、情報収集技術やデータ処理手段の改善による新たな情報の取得や知識の生成、政策やプラグラム作成に効果的なデータの使用方法

ユニット4
児童労働対策の政策、戦略への組み入れ:児童労働根絶に向けた各国および国際的な法律と実施されている政策、地域の振興政策や農業政策との適合性

ユニット5
農業プログラムの中での取り組み:農業関連のプログラムを展開する際の計画や実践の各段階における児童労働問題への喚起

ユニット6
モニタリング・評価・報告: 農業分野での児童労働に対処するモニタリングシステムの強化と、その結果の査定・評価、さらにそれらが改善に反映された証拠の把握と報告
     
ユニット7
能力開発と効果的なコミュニケーション: 当該問題に関わるステークホルダーの個人、組織レベルでの対処能力を向上させる方法や、当該問題への喚起を促す効果的なコミュニケーションの方法
                  
【参照ページ】FAO and ILO working together to stamp out child labour in agriculture
【Eラーニング】End Child Labour in Agriculture E-Learning Course

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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