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【国際】低炭素都市の実現により年間17兆米ドルのコスト削減が可能

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 気候変動に関する国際イニシアチブのThe Global Commission on the Economy and Climateが展開するプロジェクト、The New Climate Economyは9月8日、世界の都市の低炭素化に関する調査報告書、"Accelerating Low-Carbon Development in the World’s Cities"を公表した。

 同報告書によると、世界の都市は低炭素排出の公共輸送や建築効率、廃棄物管理などへの投資により、2030年までに二酸化炭素換算で年間37億トンの温室効果ガスの排出量(インドの現在の年間排出量を超える量に相当)が削減でき、2050年までに現在価値で17兆米ドルのコストが削減できるという。また、低炭素イノベーションや化石燃料削減への補助金、炭素価格などを支援する補完的な政策もあれば、年間のコスト削減額は22兆米ドルにまで達するとのことだ。

 The New Climate Economyは同報告書の中で、世界の各都市に対して2020 年までに低炭素な都市開発戦略にコミットするよう提言している。また、温室効果ガスの削減や気候変動へのレジリエンス強化などを推進している世界の都市の市長や市職員らによる国際協力連合、Compact of Mayorsへの参画も促している。現在Compact of Mayorsには合計2億2000万人以上の人口を代表する世界130以上の都市が参画しており、温室効果ガス排出削減に向けた野心的な目標を掲げている。

 国連の都市と気候変動担当国連事務総長特使を務めるMichael R. Bloomberg氏は「カーボンフットプリント削減に向けた都市の段階的な取り組みは、エネルギーコストの削減や公衆衛生の改善、新しい住民や企業を誘致する上でも役に立つ。また、今回の報告書は賢明な政策に光をあて、Compact of Mayorsのような取り組みを通じた協働を促すことで、これら全ての領域における進展をさらに加速させる手助けとなる」と語る。

 なお、報告書は創造的な政策や革新的なファイナンス手法は各都市が具体的にアクションを起こす障壁を乗り越える上で役立つとしたうえで、実際にそれらのグリーン投資から成果を上げている数多くの都市の事例にも触れている。具体的には、南アフリカのヨハネスブルグにおける高速バストランジットシステムや、シンガポールのビル電気使用量削減プログラム「グリーンマーク」、デンマークのコペンハーゲンで計画されているCycle Super Highways(自転車用高速通路)などが挙げられている。

 気候変動を抑制し、世界全体が持続可能な成長を実現するためには、企業だけではなく都市など地方自治体による主体的な取り組みも欠かせない。インフラへの投資やグリーン政策の推進、企業や市民との協働などを通じていかに気候変動におけるリーダーシップを発揮できるかが、都市の競争力を示す一つの重要な指標となりつつある。レポートは下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】Accelerating Low-Carbon Development in the World’s Cities
【参照リリース】Press release: Low-carbon cities are a US$17 trillion opportunity worldwide
【団体サイト】The New Climate Economy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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