ESGコンサルティングの米Governance & Accountability Instituteは3月15日、同社の独自調査の結果、S&P500インデックスの採用銘柄企業のうち81%がサステナビリティ報告書を提出していることがわかったと明らかにした。同社は毎年同様の調査を実施しており、昨年の発行企業割合は75%だった。S&P500は米国の投資市場において最も重要な株式市場インデックス。ダウ・ジョーンズ工業株価平均が30銘柄で構成されるのに対し、S&P500は500銘柄で構成されている。
(出所)G&A
欧州企業に比べ米国企業はサステナビリティ報告書の発行に積極的ではないと言われてきた。背景にはEUがサステナビリティ報告書の提出を推奨してきたのに対し、米国政府やSEC(証券取引委員会)はサステナビリティ報告書の発行に従来強い関心を示してこなかったことなども影響している。実際、2011年時にS&P500企業のサステナビリティ報告書発行割合は20%に留まっていた。2012年以降は発行割合が大きく上昇し、2015年は81%にまで達した。
同社はセクター別の未発行企業数も発表した。素材業界は発行企業割合が100%。製造業やエネルギー業界では未発行企業数は比較的減少した。一方、一般消費財・サービス業や金融業では未発行企業数が24社と多い。インフラ業界(Utility)では未発行企業数が1社増加していることが気になる。