自動車世界大手スウェーデンのボルボグループは5月31日、燃料を30%以上削減できる新たなトレーラートラックのコンセプトを発表した。空気力学の観点から空気抵抗を最小限にまで削減するという新たな概念を採用した。ボルボグループは、2011年からスウェーデン・エネルギー庁と米国エネルギー省の支援を受け、長距離輸送の燃料効率を50%向上するプロジェクトを実施してきており、今回その概要が明らかとなった。すでにスウェーデンの路上で走行実験も経ており、性能も実証されてきている。
今回発表されたトレーラートラックでは、トラクターにVolvo FH420、エンジンにVolvo D13 Euro6を採用。空気抵抗を最小化するための独創的な構造が特徴だ。例えば、後方確認用ミラーをカメラで代替することで空気抵抗を削減した。他にも、トラクターの後方車輪とトレーラーの全車輪をカバーするサイドスカートの改良、エンジン冷却装置の空気フローを最適化するなども実施し、全体として空気力学効果を40%増強できた。トレーラー部の重量も従来型より2トンも軽量化し、摩擦抵抗が少ないタイヤを実装することでさらなる燃料効率改善につなげた。
現段階では未だコンセプト段階のため市場化にはまだ時間がかかるが、将来的にはアメリカ市場への参入を検討。燃料削減のため、環境負荷と燃費を同時に削減することができるという。ボルボは以前から空気力学分野の可能性を感じており、ボルボ・トラックですでに実用化されている技術も多い。もともとはカーレースのF1のテクノロジーから着想を得た空気力学技術には、ボルボ以外にも日産等も注目している。
【参照ページ】Volvo Trucks’ new concept truck cuts fuel consumption by more than 30%
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