米プライベートエクイティ・ヘッジファンド業界団体National Association of Investment Companies(NAIC)は6月7日、業界誌「Chief Investment Officer」に対し、差別的な記事を掲載したとする抗議声明を出した。女性や非白人が経営する運用会社を差別的に扱ったという。
事の発端は、同誌が4月3日に掲載した記事「CalSTRS Vexed over Plan Aimed to Promote Diversity Among Fund Managers」。同記事は、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)のクリストファー・エイルマン氏の発言を参照したとしつつ、CalSTRSは最近、女性や非白人、若者が経営する運用会社に積極的に運用委託をしたダイバーシティ・プログラムの運用パフォーマンスが非常に悪く、プログラムを再検討していると報じた。
この記事に対し、NAICは、女性や非白人が経営する運用会社は、白人男性が経営する運用会社のパフォーマンスと比べても同等もしくはそれ以上のパフォーマンスを出している証拠もあると発表。パフォーマンスの低さを、女性や非白人に帰するような表現を看過できないという趣旨の抗議を行った。NAICには、1971年に設立され、現在50社以上が加盟している。加盟機関には、JPモルガン・アセット・マネジメントやニューバーガー・バーマン、ICV Capital Partners等がいる。本部はワシントンDC。
NAICの抗議は直接的にはChief Investment Officer誌に向けられているが、CalSTRSに対しても苦言を呈した。共同声明では、CalSTRSの運営責任者が白人男性で多数を占め、ダイバーシティに欠けていることを問題視。パフォーマンスが低いことは、運用委託先を選定する運用委員会のダイバーシティが欠けているせいでもあるとし、むしろ基金の各層でダイバーシティを強化することこそが必要だと提言した。
【参照ページ】NAIC’s Open Letter to CalSTRS on Behalf of Diverse Investment Managers
【参照ページ】CalSTRS Vexed over Plan Aimed to Promote Diversity Among Fund Managers
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