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【日本】サントリーHD、2030年までに化石燃料由来ペットボトル全廃。rPETと植物由来PETを原料に

 サントリーホールディングス(HD)は5月29日、2030年までにペットボトルを再生ポリエチレンテレフタレート(rPET)樹脂と植物原料PETのみで生産するものに100%切り替えると発表した。従来型の化石燃料由来のペットボトル原料を全面的に廃止していく。2023年頃に量産を開始し、2024年頃には植物由来100%のペットボトルも投入する予定。

 同社は以前から、使用済ペットボトルをリサイクルして再びペットボトルの材料「PETプリフォーム」を製造する取組を進めてきた。2018年3月には、リサイクル原料メーカー協栄産業と、海外の製造設備メーカー伊SIPA、オーストリアEREMAと共同で「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発したと発表。2018年夏頃から、同技術を用いてマテリアルリサイクルした素材を、ペットボトル製造原料に混ぜて使ってきた。目下の再生素材の混合割合は1割ほど。この割合を今後、60%から70%まで高めていく。2025年までに工場を全国数カ所に増やしていく。

【参考】【日本】サントリー、ペットボトルリサイクル製造のCO2排出量を25%削減できる技術開発(2018年3月31日)

 「FtoPダイレクトリサイクル技術」は従来型のマテリアルリサイクル手法よりも、コスト効率が良い。従来の手法では、回収したペットボトルを粉砕・洗浄したできた細かい破片「フレーク」を、300℃ほどの高温で溶かし結晶化したレジンに加工するプロセスを経てから、再度高温で溶かしてPETを生成していた。しかし、新技術では、フレークから直接PETを生成できるため、途中の加工にかかっていたコストやエネルギー、さらには排出していた二酸化炭素を削減できる。

 さらにサントリーホールディングスは、残りの30%から40%の素材でも、植物由来のPETを用いていく。原料は松の間伐材やサトウキビのガラ。植物由来プラスチックには、さとうきびやさつまいも、とうもろこし等を用いて生産するものもあるが、これだと食糧を奪い森林破壊の懸念もある。一方、間伐材やガラを原料とするのであれば、食糧とバッティングせず、環境へのポジティブ・インパクトを大きくできる。米スタートアップのアネロテックと共同で米国に新工場を設立する。コストも現状と同等に抑えられる目処がついたという。

[2019年6月29日追記]
同社の新浪剛史社長は6月、同アクションのコストを50億円と話した。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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