【国際】新型コロナウィルス、食品デリバリーやテイクアウトでも感染注意。医学誌論文 2020/04/16 最新ニュース

【国際】新型コロナウィルス、食品デリバリーやテイクアウトでも感染注意。医学誌論文 1

 東京はじめ世界中の多くの都市で外出制限やロックダウンが実施されており、在宅勤務者も増えている。それらを受けて食品のデリバリーやテイクアウトを利用する人も増加しているとメディアは報じている。

 しかし気になるのが、デリバリーやテイクアウトした食品に関する安全性についてではないだろうか。日本では、ほとんど論じられていないが、4月3日付のワシントンポスト紙では、食品分野を担当する記者がこの問題を採り上げている。先ずは食品について。米疾病予防管理センター(CDC)は、コロナウィルスが食品を介して感染する可能性があるという証拠はないと、今回のパンデミックの発生当初から公表している。では包装や容器も大丈夫なのか。

 結論は、過剰に恐れる必要はないが、相当な注意が求められるというものだ。注文した人は、必要に応じて手袋を使用して食品をバッグ、パッケージ、コンテナ等から取り出し、自宅の清潔な食器に入れ、自宅の用具類を使って食事するのが安全を確保できる方法だという。食事の前にはお湯と石鹸で手を20秒間洗い、食事を終えたらデリバリー用の容器を捨てるか、徹底的に洗い、消毒してリサイクルすること。また、梱包材や容器を置いたすべての表面を洗浄し、消毒する方がよい。さらに、どの時点でも顔には絶対に触れないことも大事だという。

 この記事のベースとなっているのが、3月に米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された論文。新型コロナウィルスのエアロゾルと銅、(段ボール等の)厚紙、ステンレスそしてプラスチックの表面上での生存時間を検証したという内容だ。米国立アレルギー・感染症研究所やプリンストン大学等の研究者らのグループは、結果を早く出すために対象をこの5種類に限定し、実験室で繰り返し3回測定し、平均値を公表している。

 論文によると、エアロゾルは3時間後にも生存。銅では4時間後には消滅していたが、厚紙では最大24時間、ステンレスおよびプラスチックでは最大72時間も生存することがわかった。これらが半減する時間は、エアロゾルが1.1から1.2時間、銅は約45分、厚紙は3から4時間、ステンレスは5.6時間、プラスチックは6.8時間と推定されている。ただし厚紙に関しては値のばらつきが大きいので解釈に注意が必要だという。

 同研究グループは、この検証結果を2002~3年に発生したSARSと比較しており、今回の新型コロナウィルスは、エアロゾル、銅、プラスチックの生存時間と半減時間は非常に類似していることが明らかになっている。異なる点は、今回のウイルスの方が厚紙とステンレスの生存・半減時間が長いということだ。厚紙は約1.5から3倍、ステンレスは約1.5倍となっている。

 この検証結果を巡り、専門家達の間ではさまざまな意見が交わされている。例えばハーバード大学公衆衛生大学院の研究者ジョセフG.アレン氏は、「1500年代から、モノの外面は人から人への感染の素となる『疾病の種』として知られている」としなからも、疫学的には「十分に構成された因果モデル(sufficient-Component Causal Model」という考え方があり、いくつかの原因がすべて揃うことで疾病という結果がもたらされる。従って、例えばアマゾン通販の段ボール箱からは、配達や受け取り等の一連のプロセスで、すべての(悪)条件が整わなければ因果関係のチェーンは断ち切れ、感染には至らない。そのため、リスクは極めて小さく、パニックになる必要はないと述べている。

 しかしその一方で同氏は、「屋外か屋内で箱を数時間放置した後で開けること、それでもウイルスが懸念される場合は、箱を屋外で開けることや、箱の外側を消毒剤で拭き取ること」等を勧めている。確かに、「十分に構成された因果モデル」は、構成要素が解明され・固定している場合には有効だが、今回の新型コロナウィルス感染症は、未だ解明されていないことが多い。

 デリバリーやテイクアウト用の食品に関しては、調理や配達を担う人びとが細心の注意を払っていると思われる。だからこそ、受け取る人びとも同様の注意が必要ではないだろうか。特に日本ではスマホやドアノブの消毒については、ある程度関心がもたれているが、梱包材を含む紙類や食品の容器については関心が薄いようだ。感染予防のために、例えばピザの箱をそのまま食卓に乗せること等は極力避けたい。

 先述の研究グループが検証範囲の中に銅と紙を加えているのは、論文中では明言していないが、硬貨や紙幣も念頭に置いて結果を見る必要がありそうだ。韓国では、3月上旬から、コロナウイルス感染拡大抑止策の一つとして、中央銀行が市中銀行から回収した紙幣を2週間保管してから流通させ、一部については焼却していると、ロイターが報じている。また中国でも、汚染された紙幣の消毒や焼却が行われているという。

【参照ページ】What to know about the risks of restaurant takeout and delivery — and how to minimize them
【参照ページ】Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1
【参照ページ】Don’t panic about shopping, getting delivery or accepting packages 
【参照ページ】S.Korea’s central bank burns, quarantines cash in coronavirus precaution

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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