米大統領府(ホワイトハウス)は4月17日、新型コロナウイルス・パンデミックによる行動規制を緩和していくための「3つのフェーズ」を発表。経済活動の復旧に向けて動き出す姿勢を示した。アメリカでは新型コロナウイルス死者数が35,000人を超えており、外出規制緩和は時期尚早との見方も多い。
ホワイトハウスが示したガイドラインでは、今後、州政府及び地方政府は、インフルエンザとコロナウイルスが疑われる「症状」の減少、感染者数の減少もしくは検査数を落とさずに感染率が減少したことで示される「症例」、全患者治療実施と医療関係者への検査実施状況の2つで示される「院内状況」の3つを指標として設定し過去2週間のデータを分析。それに応じて、社会活動規制の解除を実施していくよう通知した。
3段階のフェーズについては、必ずしも細かい発動基準が示されていない。また米国では、州政府の権限が強く、連邦政府が州政府に命じるには明確な連邦法が必要となるため、今回もガイドラインと形で通知した。その上で、各フェーズで、被雇用者、雇用者、特殊な機関の雇用者の3つの推奨アクションを設定した。
まずフェーズ1。雇用者は、テレワークを継続しつつ、段階的に出社解禁を開始。但し密集しやすい共有スペースの閉鎖は続け、不要不急の出張は禁止。社会的支援が必要な従業員には宿泊施設を提供する。特殊機関では、学校と老人ホーム、バーは閉鎖のまま。一方、レストラン、映画館、スポーツ施設、宗教施設、ジムはソーシャル・ディスタンシングを徹底すれば開店を許可する。個人に対しては、不要不急の旅行や10人以上の集まりは自粛等を要請する。
続いてフェーズ2。企業についてはフェーズ1と同様。学校は再開可能。レストラン等に求めていたソーシャル・ディスタンシングは、厳格なものから、やや運用を柔軟にできるようにする。バーは、密集しないようにできれば開店できるようにする。個人では、旅行は解禁。集まり制限も50人以上に緩和する。
最後がフェーズ3。企業は出社を全面解禁。老人ホームとジムは、衛生に十分注意すれば解禁。レストラン等でのソーシャル・ディスタンシングのレベルも緩和する。バーの密集防止措置も緩和する。個人に対しては、通常の活動に戻ってよいが、人と人の距離は極力空けるようにする。
EUでも4月15日、EU理事会議長と欧州委員会委員長の共同声明として、行動規制の緩和向けた措置について考え方を示した。緩和に向けた指標としては、疫学基準、医療システム対応能力、モニタリング能力の3つを設定。また自国だけでなく、EU加盟国相互の協調や連帯も重視すべきとした。措置を実施する際は、データと科学的分析に基づき、あくまでも徐々に段階的に行うべきとした。
【参照ページ】Opening Up America Again
【参照ページ】Communication - A European roadmap to lifting coronavirus containment measures
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