インド中央政府直属の「首都圏と隣接地域の大気質管理委員会(CAQM)」は1月4日、国営石炭生産・販売コール・インディに対し、火力発電以外への低硫黄石炭の提供を禁止したことを明らかにした。これにより、石炭による熱源利用が幅広く禁止された。
今回のルールでは、低硫黄石炭の使用が認められる火力発電所には、企業が独自に保有する石炭火力発電も含まれる。また、医薬品、乳製品の製造用でも使用が認められる。但し、石炭火力発電所については、バイオマスを5%から10%混焼することが義務付けられていることを強調した。
インドでは、最高裁判所が2019年、全州政府に対し、大気汚染及び水質汚染が適正値を上回った場合に州民に対し賠償請求を義務付ける判決を発表。さらに、インド最高裁判所は2021年12月、首都圏(NCR)で恒久的な対策をとるよう命じていた。そこで、CAQMは2022年7月に包括的計画を発表した形。
【参考】【インド】最高裁、全州政府に対し、大気汚染と水質汚染の責任を追及。国民への賠償責任を義務化(2019年11月29日)
今回の発表は、1月1日に施行されたエネルギーに関する規定を周知させたもの。首都圏では、食品加工、化学、金属、製紙・パルプ、皮革関連で主に、石炭を熱源として使用したが、使用が禁止された。代わりに工業用ではガス、外食等では木炭や竹炭が許可されている。電化ももちろん可能。火力発電は低硫黄石炭禁止が免除されているが、バイオマス混焼が義務化された。違反企業には閉鎖や重い罰金も辞さない構え。
同計画では、公共バスに関し、1月1日から、一部の州では、CNG(圧縮天然ガス)車、電気自動車(EV)以外が新規車両登録できなくなる。また首都圏全体で2026年までにディーゼル車やガソリン車の公共交通バスを全廃する。軽車両のリクシャーでは、グルグラム等の一部地域では2024年末までに、その他の首都圏では2026年末までにディーゼル燃料使用を禁止。また、民間所有の自動車についてもEV化を進めていくことを掲げている。
【参照ページ】Subject Use of low sulphur coal in Captive Power Plants (CPPs).
【参照ページ】Sub.: Implementation of Actions under Stage-III (‘Severe’ Air Quality) of revised Graded Response Action Plan in Delhi-NCR steps to be taken.
【参照ページ】Policy to Curb Air Pollution in the National Capital Region
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