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【日本】ガートナー、ゼロトラストので5つの重要テーマ発表。予算や人材要件も上がる見通し

 マーケティング調査世界大手ガートナージャパンは4月22日、2024年3月に日本国内の企業を対象に調査したゼロトラストに関する最新トレンドを発表した。

 今回の発表は、新型コロナウイルス・パンデミック以降、ゼロトラストに基づき実施したセキュリティ対策を日本国内の企業を対象に調査したもの。ゼロトラストとは、守るべき情報資産にアクセスするものは何も信用しないことを前提に対策を講じるサイバーセキュリティの考え方。

(出所)ガートナー

 今回の調査では、ゼロトラストの最新トレンドとして5つを紹介した。1つ目は、IAM (Identity and Access Management)。IAMは、企業内で利用する複数のサービスやツールのIDの管理や認証において、複数のIDを統合管理やアクセス権限の適切な管理を行うための仕組みのこと。新型コロナウイルス・パンデミック以降のリモートワークの急増に対応するために導入が進んだ。業務を優先した最低限のツールやサービスの導入だったため、対策が見直されている。

 次に、SASE (Secure Access Service Edge)。SASEは、ネットワークと関連するセキュリティをまとめてクラウドサービスとして提供する概念。従来のようにオフィスに出社し管理されたオンプレミス中心のネットワークからのアクセスが前提ではなく、様々なネットワーク環境や端末からアクセスされるため、ネットワーク設定やセキュリティ管理が複雑になる。

 SASEサービスでは安全な通信環境を確保するだけではなく、複雑なネットワーク管理やセキュリティ管理をクラウド上で実現することができ、運用面での負担を軽減することが可能。オンプレミス中心のネットワークからSASEを前提としてクラウド中心のネットワークへの以降の取り組みが継続しているとし、利用者の快適さやセキュリティのバランスを考慮し、費用対効果の高い業務から順次展開していくべきとした。

 3つ目は、EMM (Enterprise Mobility Management)とVDI、DaaS (Desktop as a Service)。EMMは、IT部門が携帯端末のワークフローとセキュリティを管理するための企業向けサービスのこと。DaaSはオンプレミスで構築するVDIとは異なり、クラウド上にデスクトップ環境を構築するサービス。従業員に柔軟な働き方を実現する機会を提供するために、携帯端末やPCの管理やセキュリティ、環境の見直しが実施されている。デバイス環境でのセキュリティ対策だけではなく、ネットワーク側を含めたゼロトラストなセキュリティ対策が推進されているとした。

 4つ目は、CTEM (Continuous Threat Exposure Management)。CTEMは、企業のデジタルおよび物理資産のアクセシビリティ、脅威エクスポージャー、悪用される可能性を評価できるようにするための包括的なアプローチのこと。同アプローチを採用し脅威エクスポージャーへの対応優先順位を決定する企業は2026年までにセキュリティ侵害を3分の1にすることが可能だとしている。CTEMサービスの導入を検討する企業が増加しており、「攻撃範囲の把握」「リスクの特定」「対応する脅威の優先度付け」「対策結果の検証」「改善するための組織管理」5つのステップで実行する。

 最後に、XDR (Extended Detection and Response)とSOAR (Security Orchestration, Automation and Response)。XDRは、エンドポイントでの攻撃の痕跡の検知や対応を実現する機能であるEDRを拡張し、根本原因を特定するためにエンドポイント以外のネットワークやサーバー、メール等の複数の通信レイヤーの情報を分析し、サイバー攻撃の全体像を可視化し分析することができる。

 SOARは、セキュリティ運用の自動化及び効率化を実現する技術やサービスのこと。インシデント対応の自動化、インシデント管理機能、脅威インテリジェンスの活用等の機能があり、XDRよりも幅広い製品と連携し、サイバー攻撃への対応や調査、分析を行うことが可能。国内の多くの企業では、セキュリティ運用に消極的であり、XDRやSOARの導入検討が進んでいないと指摘した。

 ガートナーの発表によると、グローバルでの組織の63%がすでにゼロトラスト戦略を全面的または部分的に導入済み。62%の組織がゼロトラストの導入によりコストが増加すると予測。41%の組織が人材要件も上がると予測している。

【参照ページ】Gartner、ゼロトラストの最新トレンドを発表 【参照ページ】Gartner、2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表 【参照ページ】Gartner Survey Reveals 63% of Organizations Worldwide Have Implemented a Zero-Trust Strategy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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