
食品世界大手米ペプシコと米カーギルは7月15日、米国でのリジェネラティブ農業の実践農地を2025年から2030年にかけ24万エーカー拡大することで連携する戦略的提携を発表した。サプライチェーンでの協働を深化させる。
ペプシコは、60カ国以上から35種類の作物と原料を調達。カーギルはペプシコの重要サプライヤーの1社。今回の提携では、カーギルがペプシコに供給しているアイオワ州のとうもろこしに焦点を当て、リジェネラティブ農業を促進する。アイオワ州は、米国最大のコーン生産地。2024年には米国内供給量の15%以上を占めている。
リジェネラティブ農業の営農指導では、中西部で展開しているNGOのPractical Farmers of Iowa(PFI)とパートナーシップを締結する。PFIは、地域の状況と作付作物に応じたカスタマイズされたアドバイスを提供していく。同プログラムに参加する農家は、営農指導、インセンティブ報酬、代替飼料等が受けられるようになる。ペプシコ、カーギル、PFIの3社は、以前から協業を進めてきており、今回関係性を大きく発展させた形。
ペプシコは、2030年までに世界の農地1,000万エーカーで、再生、回復、保護を実現していく目標を設定。カーギルは、2030年までに北米農地1,000 万エーカーでリジェネラティブ農業を展開する目標を設定している。両社は、サプライチェーンのレジリエンスを強化し、リジェネラティブ農業の実践を支援することで農業コミュニティのポジティブな成果を支援し、持続可能な農業の拡大に向けた新たな機会を創出することを目指していく。
【参考】【アメリカ】ペプシコ、pep+戦略目標を改訂。持続可能な農業は引上げ。それ以外は後退(2025年5月26日)
またカーギルは7月1日、持続可能なカカオ・サプライチェーンを構築していく大規模プロジェクトを発表した。カカオ生産国のガーナとコートジボワールから、欧州の加工拠点に至るまで、温室効果ガス排出量の削減、廃棄物の削減、生産性向上を実現するための一連の投資計画を明らかにした。
コートジボワールでは、廃棄されていたカカオ殻をバイオ発電の燃料として活用。ガーナでは、テマにある生産施設を太陽光発電所で稼働させ、使い捨て包装材の代わりに新しいISO規格のタンクを導入。毎月最大100tの廃棄物を削減できる見通し。
オランダのアムステルダム近郊にあるカカオ豆とカカオ半製品の倉庫でも、太陽光発電の自家消費を実施。世界初の完全電動バージ船でザーンダムのカーギル工場に輸送される。これにより、温室効果ガス排出量を年間190t削減できる見通し。電動バージ船とザーンダム工場の電力は、ヴァッテンフォールが運営するハンザ風力発電所から調達する。
加工後のカカオ殻も、同社がアムステルダムに新設するバイオ発電所の燃料として活用。これにより、温室効果ガス排出量を年間約19t削減できる見通し。さらにハンザ風力発電所からの調達電力分と合わせると、ザーンダム工場の電力に伴う排出量を最大90%削減できるという。
加工されたカカオ半製品は、バイオLNGトラックで低炭素輸送を実施。ウォルマーの最終加工工場に送られた後、完成したカカオパウダーはザーンダムの次世代倉庫で保管される。次世代倉庫は、グリーンバレー・カカオ・ロジスティクスとの共同運営で、太陽光発電、自動運転車両、鉄道とバージ船の複合輸送システムを採用し、環境フットプリントを最小化する。カカオパウダーを自社チョコレート工場や欧州のチョコレートメーカーに輸送する際にも、再生可能燃料と短距離海運を活用する。
【参照ページ】PepsiCo and Cargill Collaborate to Empower Farmers by Advancing Sustainable Agriculture
【参照ページ】Cargill Sets a New Global Benchmark for more Sustainable Cocoa Supply Chains
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