
国際エネルギー機関(IEA)は5月14日、世界の電気自動車(EV)市場の見通しを分析した報告書「Global EV Outlook」の2025年版を発表した。2013年に初版が公開、2016年からは毎年更新されており、今回で11回目となる。
【参考】【国際】IEA、EV市場の見通しに関する報告書を発表。2024年のEV販売台数は1,700万台の見通し(2024年5月10日)
同報告書では、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)もEVとして統計をとっている。2024年の世界のEV・PHV販売台数は、前回報告書の予測通り、約1,700万台。世界の自動車販売台数に占めるEV・PHV割合は20%を超えた。2025年3月までの3ヶ月間のEV・PHV販売台数も前年同期比で35%増加し、主要市場を含む多くの地域で過去最高を記録した。2025年の通期見通しでは、2,000万台を突破し、世界の自動車の販売台数の25%を超える模様。
(出所)IEA
国別では、中国がEV・PHV市場リーダーの地位を維持。中国における2024年の自動車販売台数の約50%をEV・PHVが占め、約1100万台。これは2022年の世界全体のEV販売台数に相当する。特に、過去3年間でPHVが大きく伸長している。
米国ではEV・PHVの販売台数が前年比約10%増加、販売台数に占める割合は10%を超えた。欧州では補助金制度や支援策の縮小が影響し、EV・PHVの市場シェアは20%と横ばい。アジアと中南米の新興市場のEV・PHV販売台数は大きく成長し、2024年に60%以上増加した。
2024年EV・PHVの平均販売価格は、バッテリーコストの低下等により世界平均では低下。中国では、2024年に販売されたEV・PHVの3分の2が、購入インセンティブなしでも内燃機関自動車より低価格だった。しかし、他の市場では内燃機関自動車との価格差は大きい結果となり、EVの販売価格の方がドイツでは20%、米国では30%高かった。
現在のエネルギー市場価格を基にしたEV・PHVのランニングコストは、多くの市場で内燃機関自動車よりも低い。欧州では、石油価格が1バレル当たり40米ドルまで下落した場合でも、EV・PHVのランニングコストは内燃機関自動車の約半分となる。
世界のEV・PHV生産の70%以上を中国が占めており、2024年に約125万台のEV・PHVを他国へ輸出、世界の輸出台数に占める割合は40%。第2位はEUで、80万台を英国や北米等に輸出している。米国では輸出台数が約15%減少し、輸入台数が40%増加した。
同報告書では、EV・PHVトラックのランニングコストについても言及。中国でのEV・PHVトラックの販売台数が倍増したことで、2024年の世界におけるEV・PHVトラックの販売台数は約80%増加し、世界全体のトラック販売台数の約2%を占めた。中国の一部の中型EV・PHVトラックがディーゼル車に比べてコスト競争力を持つようになったことが要因。EV・PHVトラックのランニングコストが大幅に低いことが、車両価格の高さを相殺しているとした。
IEAは同報告書の発表と同時に、世界のEVに関する統計データや予測、政策に関する情報を閲覧できる「Global EV Data Explorer」「Global EV Policy Explorer」のツールもアップデート。2025年夏には、EV・PHVの普及が加速していることに伴うグローバルな自動車産業の見通しに関する特別報告書を発表予定とした。移行期にある自動車産業のサプライチェーンの競争力とレジリエンス確保に向けた分析も含まれる。
【参照ページ】More than 1 in 4 cars sold worldwide this year is set to be electric as EV sales continue to grow
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