
豊田通商とEVバッテリー世界大手韓国LGエナジー・ソリューションは6月19日、米ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムに車載用バッテリーのリサイクル事業を行う合弁企業「Green Metals Battery Innovations(GMBI)」を設立し、同社がバッテリーリサイクル工場を建設すると発表した。
同工場では、EVバッテリー製造過程で発生する廃棄物を解体・破砕し、ニッケル、コバルト、リチウム等の重要金属を含むブラックマスを抽出する前処理作業を行う。後工程を経て原材料を回収し、新品電池の原料への循環を実現するクローズド・ループ・リサイクルを確立することを目指す。
同企業への出資比率は、豊田通商が51%、LGエナジー・ソリューションが49%。LGエナジー・ソリューションにとって北米での初のバッテリーリサイクル合弁事業となる。
初期フェーズでは、LGエナジー・ソリューションが生産するトヨタ自動車のEVバッテリー製造プロセスに発生する廃棄物を供給する予定。2026年に操業開始予定で、年間最大処理能力は車載用バッテリー4万個に相当する1.35万t。将来的には米国内で発生する使用済みバッテリーのリサイクル事業にも取り組むとしている。
米国では、EVや再生可能エネルギーの需要増加に伴い、リチウムイオンバッテリーの市場成長が加速し、将来的には使用済みバッテリーや製造工程で発生する廃棄物・規格外品等の増加が見込まれる。また、世界的にレアメタルの回収・再利用を義務づける動向への対応も求められている。
LGエナジー・ソリューションは、北米、欧州、中国等で電池を生産しており、今後500GWh以上の生産能力を有する計画。特に北米には現在建設中の工場を含めて8工場を運営しており、同社最大の生産拠点として製造工程における廃棄物のリサイクルと、再利用によるクローズド・ループ・リサイクルの確立も進めている。
豊田通商は、これまでも金属スクラップのリサイクルや使用済み自動車の再資源化等「循環型社会」の構築を実施。2023年には日本国内でリチウムイオンバッテリーのリサイクル事業も開始している。
【参照ページ】LG Energy Solution and Toyota Tsusho Establish a Battery Recycling Joint Venture in the U.S.
【参照ページ】北米で車載用電池リサイクル事業を行う合弁会社設立を韓国LG Energy Solutionと合意
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら