
2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」の運営委員会は8月27日、組織形態を、加盟制アライアンスからガイダンス策定イニシアチブへと転換する加盟機関投票を開始したと発表した。
グラスゴー金融同盟(GFANS)の傘下団体に対しては、米国を中心に、競争法上の問題があると訴える政治運動が巻き起こり、訴訟も発生している。主張としては、加盟制アライアンスでは、加盟要件として一定の義務を課せられており、自由競争を阻害しているというもの。一方、日本やEUの競争政策当局は、サステナビリティを理由とした業界間協調行為は競争法違反に該当しないという立場を採っている。
【参考】【日本】公取委、グリーン関連の企業連携や取引基準設定は独禁法違反に当たらないと見解(2023年4月29日)
【参考】【EU】欧州委、競争法ルール改正。サステナビリティ領域での協業しやすく(2023年6月6日)
米国共和党による反GFANZ姿勢は、先に保険業界に影響を与えており、Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)は2024年4月に解散を決め、替わりに、保険会社、金融当局、アカデミア、NGO等の国連主導マルチステークホルダー・フォーラムとして「ネットゼロのための保険移行フォーラム(FIT)」を創設している。
【参考】【国際】ネットゼロのための保険移行フォーラム、初の保険移行計画ガイド発行。COP29(2024年11月16日)
NZBAでの組織形態シフトに関しては、米国、日本、一部欧州の金融機関が米国での処罰を恐れ脱退を決定したこともあり、現加盟機関が提案していた。NZBA運営委員会は、組織形態の是非を問う投票の結果を9月末に発表する予定で、それまでの期間は活動を一時的に停止する。
NZBAは今回「銀行セクターに対し、ネットゼロ・コミットメントの実施を揺るぎなく継続するよう促す」とコメントした。
【参照ページ】Update from the Net-Zero Banking Alliance – August 2025
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