
サーキュラーエコノミー推進の英エレン・マッカーサー財団は7月1日、ブラジルのレシフェ市で、包装廃棄物の回収・リサイクルシステム構築に向けた新イニシアチブを開始すると発表した。ブラジル政府、同国レシフェ市、ネスレ、ペプシコ、ユニリーバ、マース、Clean Rivers等と連携する。
ブラジルでは、人口の92.4%以上が廃棄物回収サービスの対象となっている一方、都市固形廃棄物の4分の1超が不適切に処理されている。年間約350万tのプラスチック廃棄物が不適切に管理され、その多くが排水路や河川に流入しているという。また、都市廃棄物の3分の1超はプラスチック、ガラス、紙等のリサイクル可能物で構成されるが、実際にリサイクルされる割合は9%未満に留まる。
特に同市では、正式なリサイクル回収サービスを利用できる世帯は1%に留まっており、広範なステークホルダーから持続的に資金を確保するための新たなアプローチが必要とされている。
今回のイニシアチブでは今後6カ月間、エレン・マッカーサー財団とレシフェ市が現地のステークホルダーと連携し、同市向けの詳細計画を策定。計画が成功すれば、複数年で最大3億レアルの投資を引き出し、早ければ2027年にレシフェ市で実装作業を開始する構想。同市での都市規模の実証を通じ、2040年までにブラジルの都市で効率的かつ公平な回収・リサイクルシステムを大規模に運営するためのモデルを示し、国の政策や他都市の取り組みに知見を提供することを目指す。
エレン・マッカーサー財団とClean Rivers公表の報告書によると、ブラジルの都市廃棄物システムを改善すれば、現在埋立処分によって失われているリサイクル可能物の価値140億レアル(約4,450億円)を回収できると指摘。さらに、回収・選別・素材加工の分野で約9,300人の雇用を創出し、プラスチックのリサイクル・サプライチェーンでは2030年までに約6.4万人の追加雇用を創出できる可能性があるとした。
また同報告書では、同国で約80万人の廃棄物回収作業員がリサイクル可能物の最大90%を回収している一方、その多くが公正な報酬や安全な労働環境を得られていないことを課題視。廃棄物回収作業員を制度上正式に認知し、取り扱う素材の対価だけでなく、提供するサービスに対しても報酬を支払うとともに、都市の回収・リサイクル管理における正式な役割を付与することを求めた。
【参照ページ】Press Release: Initiative in Recife draws on learnings from report to tackle waste and plastic pollution
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