
国際温室効果ガス排出量算定基準機関GHGプロトコルは10月20日、スコープ2ガイダンスの改訂案と、電力セクター向けの削減貢献量の帰結的推定方法論の考え方を公表した。GHGプロトコルの独立基準委員会(ISB)が策定した。12月19日までパブリックコメントを募集する。
スコープ2ガイダンスの改訂は、現行版が策定された2015年以来、約10年ぶりとなる。現行のロケーション基準とマーケット基準の2つを体系を維持しながら、双方の正確性と透明性を高めるための的を絞った修正を行う。
具体的には、マーケット基準に対する新たな時間単位での対応・供給可能性要件を設定。これにより、二重計上(ダブルカウンティング)を回避するとともに、報告されるクリーンエネルギー購入が電力系統の物理的実態をより正確に反映できるようにする。
また、企業によってデータアクセスや事業規模が大きく異なることを認識し、負荷曲線を用いた時間別データの近似、適用対象組織の免除閾値、既存の契約上のコミットメント事項に対する経過措置、複数年にわたる段階的実施スケジュール等を盛り込む。
電力セクター向けの削減貢献量の帰結的推定方法論の策定では、クリーンエネルギー調達や投資といった行動が、組織バウンダリーを超えてシステム全体に及ぼす影響を推定できるようにする。インベントリー排出量とシステム全体のインパクトを別々に報告できるようにすることで、企業インベントリーのインテグリティと比較可能性を維持しつつ、報告される排出量が組織間および時間軸で一貫性を保つようにする。
企業インベントリー外のプロジェクトや市場メカニズムによる温室効果ガス排出量インパクトを定量化・報告するための補完的要件は、ISBの行動・市場メカニズム・テクニカル・ワーキンググループで開発中。開発された方法論に基づき算出された削減貢献量が、排出削減目標の達成においてカウントできるかや、そのための方法等は、GHGプロトコル側では策定しない考えも明確にし、GHGプロトコルを利用する開示機関や目標設定機関側に判断を委ねた。
スコープ2ガイダンスの改訂では、今回のパブリックコメントを踏まえ、必要に応じてスコープ2テクニカル・ワーキンググループと協議しながら、基準の見直し・改訂作業を実施。第2回パブリックコメント募集を2026年に実施し、新基準の最終公表は2027年を予定。
電力セクター向けの削減貢献量の帰結的推定方法論では、今回のパブリックコメントを踏まえ、ステークホルダーからの意見を集約し、企業インベントリー外の排出インパクト報告要件を策定する「行動・市場メカニズム・テクニカル・ワーキンググループ」の参考資料として活用される。
【参照ページ】RELEASE: GHG Protocol Opens Public Consultations on Scope 2 and Electricity Sector Consequential Accounting
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