
世界銀行の研究チームは10月29日、世界132カ国の災害に対する社会経済的レジリエンスを分析した論文を学術誌Nature Sustainabilityに発表した。災害による資産損害1米ドルに対し、人々の生活への影響を消費減少額に換算した厚生損失は約2米ドルに達すると推計。各国の所得下位20%の層が負担する資産損害は全体の9%にとどまる一方、厚生損失では33%を占め、低所得層に影響が集中していることを明らかにした。
今回の研究は、世界人口と国内総生産(GDP)の94%を占める132カ国を対象に、災害による物的資産の損害と、それに伴う所得・消費の減少、復旧に要する期間を分析したもの。洪水、熱帯低気圧による暴風・高潮、津波、地震を対象に、所得階層別の家計特性を反映したマイクロシミュレーションを実施した。従来の災害リスク評価では、建物やインフラ等の資産損害が中心的な指標とされてきたが、研究チームは、被災者の所得水準や復旧能力の違いによって、同じ金額の損害でも生活への影響が大きく異なると指摘した。
同研究チームは、…
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