農林水産省は3月1日、J-クレジット制度運営委員会で、「水稲栽培による中干し期間の延長」がJ-クレジット制度として承認されたと発表した。農業分野では、「バイオ炭の農地施用」「茶園土壌への硝化抑制剤入り化学肥料又は石灰窒素を含む複合肥料の施肥」に続くJ-クレジット制度となった。施行は4月中旬の予定。
同手法では、中干し期間を、水田における直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長し、所定の審査を受けると、削減量分のクレジットが認定される。中干しとは、水稲の栽培期間中、出穂前に一度水田の水を抜いて田面を乾かすことで、過剰な分げつ(根元付近からの枝分かれ)を防止し、成長を制御する作業のこと。
同省によると、水田から発生するメタンは、土壌に含まれる有機物や、肥料として与えられた有機物から、嫌気性菌であるメタン生成菌の働きにより生成され、日本のメタン排出量の約4割を占める。水田からのメタンの発生を減らすには、落水期間を長くすることが重要。水稲栽培で通常行われる中干し期間を7日間延長することで、メタン発生量を3割削減できることが確認されている。
水田からのメタン排出は、我が国全体のメタン排出量の約4割を占めており、その排出削減は、みどりの食料システム戦略や政府の地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)にも位置付けられている。
J-クレジットは、畜産では他に、「牛・豚・ブロイラーへのアミノ酸バランス改善飼料の給餌」と「家畜排せつ物管理方法の変更」も認められている。
【参照ページ】J-クレジットにおいて「水稲栽培による中干し期間の延長」が新たな方法論として承認されました!
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