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【フランス】ダノンとマース、小規模農家を支援する投資基金を設立 2015/03/05 最新ニュース

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世界を代表する食品会社2社が、持続可能な農業の実現に向けて手を組んだ。フランス食品大手のDanone(ダノン)と米国食品大手のMars, Incorporated(マース)は2月4日、小規模農家のサステナビリティを支援するための投資基金、Livelihoods 3F(Livelihoods Fund for Family Farming)を設立すると発表した。この投資基金は開発途上国の農業従事者の生活水準・生産性・収入の向上と環境保護を同時に実現することを目的としており、今後10年間で1億2000万ユーロをアフリカ、南アメリカ、アジア地域に投資する予定だ。

Livelihoods 3Fはリスク共有・成果報酬型の投資信託として運営される予定で、出資者へのリターンは、プロジェクトを通じて生まれた製品やカーボンクレジットなどを購入する民間企業や公的第三者機関、電力会社、政府、開発機関などの官民連合により支払われる形となる。

同ファンドの目的は大きく下記3つの分野に渡る。

  • 経済面:農家の収穫量および収入の双方の向上
  • 社会面:特に女性の農業従事者を支援し、農家の生活の質向上
  • 環境面:責任ある農業慣行と、持続可能な自然資源の利用方法および技術の推進

同基金が生まれた背景には、世界人口が2050年までに90億人に増加すると予想されている中で、減少し続ける自然資源からいかに多くの食料を生産するかという、グローバルにおける食料確保と農業に対する大きな課題認識がある。

また、現在では先進国、開発途上国の双方で家族農業経営が最も一般的な農業のスタイルとなっており、5億の家族経営農家が世界の食料供給の70%を担っているものの、これらの農家の多くは低収入で十分な教育機会が得られず、貧困に陥っている。さらに、気候変動や土壌汚染、水不足、生物多様性の損失などで更なる危機にさらされており、これらの小規模農業のサステナビリティをどう高めていくかが問題解決の鍵となっている。

基金の運用を担当するLivelihoods Ventureの社長を務めるBernard Giraud氏は、「Livelihoods 3Fは持続可能な農業、気候変動と貧困問題は密接に関係しているという認識に基づくものだ。これはオープンな投資基金であり、農作物や自然資源をより持続可能かつ責任ある形で調達したいと考えている企業であればだれでも参画することができる」と語る。

また、ダノンの取締役会長を務めるFranck Riboud氏は「持続可能な農業という課題は、経済・環境・社会を結合させた、これまでとは異なる斬新なアプローチでしか解決することができない。革新的で具体的な解決策を見つける最善の方法は、他社やNGO、政府機関などと力を結集させることだ」と語る。

ダノンは2011年に開発途上国のコミュニティを支援する目的でLivelihoodsという基金を設立し、シュナイダー・エレクトリック、クレディ・アグリコル、エルメス、SAPなど9社らとともに7つのプロジェクトに投資し、マングローブの再生やアグロフォレストリーに取り組んできた。Livelihoodsはこれまでに800万トン分のCO2削減に相当する1億3000万本の植林を実施し、数多くのコミュニティ支援に取り組んでいる。今回マースと共同で設立したLivelihoods 3Fは2つ目の基金となる。

人口増加により食料需要の増加が見込まれているにも関わらず、気候変動や森林破壊などの環境問題により農業は危機に晒されつつあり、今後、持続可能な農業を実現する重要性は途上国、先進国に関わらずますます高まりを見せることが予想される。この問題に対し、グローバルにサプライチェーンを抱える食品大手2社のダノンとマースが政府やNGOなどとも協力しながらどのように取り組み成果を上げていくのか、今後の具体的なプロジェクトに期待が集まる。

【企業サイト】Danone
【企業サイト】Mars
【団体サイト】Livelihoods


(※写真提供:xuanhuongho / Shutterstock.com

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