【国際】レインフォレスト・アライアンス認証、認証基準を強化。2017年7月から適用開始 2016/10/17 最新ニュース

agriculture

 国際NGOのサステナブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN)とレインフォレスト・アライアンス(RA)は9月20日、両機関の代表的な農業認証である「レインフォレスト・アライアンス(RA)認証」の認定基準である「SAN基準」を改訂した「SAS(Sustainable Agriculture Standards)2017」を発表し、2017年7月1日からこの新基準が適用されることを明らかにした。

  レインフォレスト・アライアンスは、米国米国ニューヨークに本部を置くNGO。熱帯雨林の保護のために1987年に設立され、2001年に森林伐採や環境破壊の要因となる乱開発に歯止めをかける取り組みとして、「レインフォレスト・アライアンス認証」を立ち上げた。レインフォレスト・アライアンスは、世界地域の環境保護団体が個別に展開していた認証制度の統一を図るため、サステイブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN)という組織を立ち上げ、現在は、SANが中心となって「レインフォレスト・アライアンス認証」の運営を管理している。この認証は、SANに加盟するパートナー組織が認証機関となり、現在世界約40ヶ国、約100万ヶ所の農園に認証が付与されている。認証農園や認証農園からの農作物を使った製品には、レインフォレスト・アライアンスのトレードマークであるカエルのマークが付けられている。

 レインフォレスト・アライアンス認証で監査される項目は、森林資源の保護だけでなく、土壌保全や遺伝子組換え作物利用の禁止など環境配慮に関する広範囲な内容を含む。また、地域住民の経済発展や労働環境に関する社会的項目も多く盛り込まれている。認証対象となっている農作物は、カカオ以外にも、コーヒー、紅茶、野菜、果物や花等100品目以上。レインフォレスト・アライアンス認証は、世界で広く普及している農作物および林業認証の一つで、すでに世界のカカオ生産の13%以上、コーヒー生産の20%以上がこの認証を得ている。また、世界のバナナ貿易の15%、茶貿易の14%、コーヒー貿易の5.2%は同認証を取得した製品となっている。

 今回発表された新基準「SAS2017」は、国際社会環境認定ラベル表示連盟(ISEAL)の「社会環境基準設定のための優良慣行規範」に準拠した上、幅広い関係者からの声を反映したものとなっている。主な変更点は、農業生産者にとっての農場生産性をさらに向上させるとともに、気候変動に対する順応性を高めた点にある。

  • 農業生産社が気候変動リスクに対応できるよう、温室効果ガス排出量削減や気候変動に適応できる農業の実践を基準に組み込む。土壌保護、水道使用の効率化、生態系の保全と回復を強調。悪天候や異常気象やそれに関係した害虫や疫病の悪影響を緩和できるようにした。
  • 森林の農地転換要件も強化する。すでに2005年11月以降の「高保護価値」生態系の破壊は禁止せれているが、この範囲を広げ、2014年以降の自然生態系転換を禁止し、一次森林と二次森林の両方を保護するとともに、湿地や自然の草地などの生態系を保護する。
  • 新たに「継続的改善の枠組み」という内容を導入する。水質、廃棄物管理、土壌保護、労働条件、生活賃金など14項目について3段階の到達基準を定め、認証取得者は取得後6年という具体的な期限を設け、その期間内にパフォーマンスを段階的に改善していくことを義務化する。
  • 労働者の住宅、安全衛生、男女平等、児童労働など人権に関する要件を強化する。農場従業員が活用できる苦情処理制度の整備を義務化する。
  • 害虫管理と農薬の安全使用に関する厳格な枠組みを導入し、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の規定に準じ150種類の物質の使用を禁止する。また170種類の物質については厳格の管理下での使用のみ許可する。これにより、労働者の健康、花粉を媒介するミツバチなど昆虫の保護、生態系の保護などを実現する。

 新基準は2017年7月1日以降の認証監査から適用される。すでにRA認証を取得している農場でも、この新基準に対応していく必要がある。

【参照ページ】Raising the Bar on Sustainability Standards
【新基準】Sustainable Agriculture Standards 2017
【機関サイト】Rainforest Alliance
【機関サイト】Sustainable Agriculture Network

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る