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【アメリカ】ネスレの北米水事業、NGOと連携し水分野のベンチャー企業育成を実施

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 ネスレグループで北米エリアの水製品事業を行うネスレ・ウォーターズ・ノースアメリカ社は9月27日、サンフランシスコを拠点とする環境NGOイマジンH2O(IH2O)との提携を発表した。IH2Oは、水問題の解決に取り組むベンチャー企業を育成、支援する団体。同団体が展開する"ベータ・パートナー"プログラムは、R&D段階にある水技術の開発や導入を支援するため、ベンチャー企業と、他の企業や農業事業者、行政当局のキーパーソンをつなぐ活動。ネスレ・ウォーターズ・ノースアメリカは、このベータ・パートナーの一員となり、ベンチャー企業の水技術開発を支援していく。

 ネスレ・ウォーターズ・ノースアメリカは、持続可能な水利用のために水質・水量管理に積極的に携わることを標榜しており、同社が水の調達や工場運営を実施している地域において、環境、社会、経済すべての面で価値を高める事業運営を目指している。一方、IH2Oは、2009年以来、30か国でベンチャー企業550以上を支援してきた実績がある。ベンチャー企業の分野は食品、農業、上下水処理、品質管理、水データ分析など多岐に渡っており、水分野におけるアーリーステージのベンチャー投資のうち10分の1がIH2Oのプログラムから資金提供されているという。

 またIH2Oは、2016年に、米ホワイトハウスが主催する「White House Water Summit」の場で、今後数年に渡りデータ分析を活用した課題解決を展開していくイニシアチブを発表した。イニシアチブの一つとして、カリフォルニア州でデータ分析を水問題の政策提言コンペティションである「2017 California Water Policy Challenge」を来年に予定している。

 水に関する社会問題は年々熱を帯びてきている。今年9月、カナダのNGO「カナダ協議会」がネスレ製品のボイコットを呼びかける活動を開始した。理由は単純ではない。カナダでは今夏、東部で降雨量が少なく水不足問題が持ち上がっていたが、水事業を営むネスレが水を水源から安値で買い高値で販売するという事業そのものをカナダ協議会は問題視している。彼らの主張では、そもそも水へのアクセスは人権問題である国連も発表しており、高値で水を販売し水へのアクセスを制限している事業は人権侵害だと言う。ネスレは「ものはタダではない」と反論している。気候変動等の影響により世界の環境が変化するということは、事業に対する社会の眼も変化するということに他ならない。ネスレなど飲料メーカーが昨今様々な水問題に取り組んでいる背景は、環境変化を抑制し、社会からの事業理解を得ていくという、事業リスクを減らしていくという狙いがある。

【参照ページ】Nestlé Waters North America Partners with Imagine H2O® to 
Support Water Innovation
【ボイコット声明】Take the Boycott Nestlé Pledge

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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