【インドネシア】伊藤忠商事や九州電力、世界最大級のサルーラ地熱発電所の商業運転を開始 2017/04/07 最新ニュース

 伊藤忠商事は3月22日、同社と九州電力、国際石油開発帝石、インドネシアのエネルギー最大手Medco Energi Internasionalの電力子会社メドコ・パワー・インドネシア、米地熱発電技術大手オーマット・テクノロジーズの5社が共同出資をして開発してきたインドネシアのサルーラ地熱発電所の1号機が3月19日に商業運転を開始したと発表した。設備容量は105.9MW。今後、2017年に2号機、2018年に3号機の商業運転が開始する予定で、完成すると合計での設備容量は単一開発の地熱発電所として世界最大級の320.8MWとなる。

 インドネシアは世界有数の地熱源保有国で、政府は地熱発電の増設を政策として掲げている。サルーラ発電所は、スマトラ島北部の都市メダンから南へ約350kmのところにあり、今後30年間に亘り、インドネシア国有電力会社(PLN)に売電する。サルーラ発電所建設プロジェクトは、日本政府の後押しもあり2007年にスタート。2007年8月に安倍首相のインドネシア訪問時に開催開催された「日本・インドネシア・ビジネス・フォーラム」において、国際石油開発帝石を除く出資企業4社でサルーラ地熱プロジェクトに関する覚書が締結された。国際石油開発帝石は2015年に、100%子会社を通じてMedco子会社の49%の株式を取得し、本プロジェクトに参画した。

 サルーラ地熱発電所の事業主体であるケイマン諸島法人Sarulla Operations(SOL)社の出資比率は、伊藤忠商事25%、九州電力25%、メドコ・パワー・インドネシア19%、国際石油開発帝石18.25%、オーマット・テクノロジーズ12.75%。九州電力は日本最大の地熱発電所である八丁原発電所を運営するなど地熱発電技術を有しており、今回プロジェクトの参画に至った。一方、国際石油開発帝石が地熱発電事業に本格的に参画するのは初。

 サルーラ地熱発電所で用いられる発電設備は、東芝製フラッシュ式発電設備とオーマット・テクノロジーズ製のバイナリー式発電設備を組み合わせたもの。東芝とオーマットは2015年10月から戦略的協業契約を締結している。2015年時点での東芝の発表によると、オーマットは、バイナリー式の発電設備で世界トップシェア。地中から噴出する温水・蒸気を直接利用するフラッシュ式とバイナリー式を組み合わせた高効率なコンバインド型地熱発電システムを世界で唯一提供しているという。一方、東芝、フラッシュ式を中心とした地熱発電設備容量ベースで世界トップの26%のシェアを占めている。

 サルーラ地熱発電所建設プロジェクトには、国際協力銀行(JBIC)が「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、Sarulla Operations(SOL)社に対し、4億9,200万米ドルを上限とするプロジェクトファイナンスを実施。併せて、アジア開発銀行(ADB)、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、ソシエテ・ジェネラル、ING銀行、ナショナル・オーストラリア銀行も協調融資を行った。協調融資総額は約11億7,000万米ドル。民間金融機関の融資部分に対しては、JBICが政治リスクに関する保証を提供した。

 発電所建設では、韓国の現代建設が、SOLからEPC契約(設計・調達・建設工事・試運転までの一括契約)を受注し、建設を担った。

 伊藤忠商事は、石炭火力発電や再生可能エネルギー発電など海外での発電事業に注力しており、サルーラ地熱発電所を含めた海外・日本国内での再生可能エネルギー総発電量量は1,960MW。インドネシア以外では、スペインで太陽熱発電、南アフリカ共和国で太陽光発電、米国で風力発電、英国で廃棄物による発電などのプロジェクトが進行中。

【参照ページ】世界最大規模 インドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクトの第1号機商業運転開始
【参照ページ】オーマット社との地熱発電事業における戦略的協業契約の締結について
【参照ページ】インドネシア共和国サルーラ地熱発電プロジェクトに対するプロジェクトファイナンス及びポリティカル・リスク保証
【参照ページ】世界最大規模 インドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクトの初号機営業運転開始について

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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