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【国際】国連、SDGsの2017年進捗レポートを公表。定量測定フレームワークも近々最終採択

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は6月8日、国連持続可能な開発目標(SDGs)の2017年度進捗レポート「2017 SDG progress report」を発表した。同レポートは、7月10日に開催される国連の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)会合の中でも紹介される予定。

 同レポートの発表に先立ち、SDGs指標に関する機関間専門家グループ(IAEG-SDGs)は、SDGsの達成状況を測るための指標フレームワークを策定。このフレームワークは、今年3月の国連統計委員会第48会期会合で採択され、さらに上部組織である国連経済社会理事会(ECOSOC)も6月7日に採択した。近々国連の意思決定機関である国連総会でも採択される見込み。同フレームワークは、SDGsの17目標について、230の詳細指標を設定。指標は、概念が明確、かつ国際機関等が基準設定しており、かつ地域ごとに国数および人口で過半数を超える国が定期的にデータ発表をしているものを「Tier 1」、概念が明確、かつ国際機関等が基準設定しているが、定期的な発表に至っていないものを「Tier 2」、基準設定もされていないものを「Tier 3」の3つに分類されており、現時点では、Tier 1が82、Tier 2が61、Tier 3が84、分類がまたがるものが5。Tier 3に関しては、今後定義の設定を進めていく予定だ。

 今回のレポートは、このフレームワークで定められた指標のうち、今年4月時点で入手可能なデータに基づき作成された。

SDGs各目標の2017年進捗の概略

  • SDG 1(貧困):世界の貧困率は2000年以来半減したが、特にサブサハラ地域で所得向上等のより一層の努力が必要
  • SDG 2(飢餓):飢餓撲滅の取組は2000年以来進展したが、特にアジア・アフリカ地域で飢餓改善の努力が必要。また農業への投資も必要。
  • SDG 3(健康・ウェルビーイング):著しく進展したが、特に重疾病地域で進展の加速化が必要。特に世界半数以上の国で人口千人当たりに外科医一人未満、看護師3人未満しかいない
  • SDG 4(教育):世界全体に占める初等・中等教育機会を受けられない人口の70%がサブサハラ地域と南アジアに集中。特にサブサハラ地域と南アジアや、社会的弱者に対する努力が必要。
  • SDG 5(男女平等):男女不平等は世界各地に残っており、改善には法的取組が必要。過去30年間で女性割礼は30%減少。家事や介護に費やす時間は女性のほうが男性より3倍多い
  • SDG 6(水・衛生):世界20億人が水ストレスの多い地域で生活。世界人口の90%以上が飲料水へのアクセスを、67%以上が衛生施設へのアクセスを確保。
  • SDG 7(再生可能エネルギー):再生可能エネルギー発電と省エネの目標は未達成。同分野により多くの投資が必要
  • SDG 8(雇用慣行・経済成長):2010年から2015年までの一人あたり実質GDPは1.6%上昇。世界全体の失業率は2016年時5.7%
  • SDG 9(産業・イノベーション・インフラ):後進国ではインフラ建設のための新たな投資が必要。政府開発援助(ODA)額は2010年から2015年の間に32%上昇
  • SDG 10(不平等):国際経済金融機関での発展途上国の声の強化が必要。高額な海外送金費用が移民の本国仕送りを阻害
  • SDG 11(都市・地域社会):都市の成長は著しく進展。都市の土地利用、安全性、強靭性、持続可能性のために都市計画や都市管理の改善が必要
  • SDG 12(責任ある消費・生産):GDP当たりの国内資源消費量は2000年から2010年の間に悪化。是正に向けた国の関与が重要
  • SDG 13(気候変動):災害リスク削減(DRR)政策は進展しつつも、自然災害による死者数は増加。強い改善が必要
  • SDG 14(海洋生物):沿岸部の汚染・富栄養化が進行。1974年から2013年の間に漁業資源が持続可能な水準を下回る割合が上昇。近年は改善傾向
  • SDG 15(陸上生物):森林破壊は改善傾向。一方、土地生産効率、生物多様性減少、野生生物の密猟は深刻な課題
  • SDG 16(平和・正義):武力紛争が近年増加、司法アクセスは改善
  • SDG 17(パートナーシップ):発展途上国のSDG統計収集のためには年間で約10億米ドルの支援が必要

【参照ページ】UN Secretary-General Issues Second SDG Progress Report
【レポート】2017 SDG progress report
【詳細データ】Statistical Annex
【フレームワーク】Tier Classification for Global SDG Indicators

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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