食品大手米モンデリーズ・インターナショナルは6月4日、欧州市場向けビスケットの原料となる小麦を2020年までに全てサステナビリティ調達に転換すると発表した。同社は、農家、製粉所、農業団体と協働したサステナビリティ調達戦略「ハーモニー・イニシアチブ」を展開しており、現在欧州市場向けビスケットの60%がカバーされている。
現在ハーモニー・イニシアチブに参加するのは、ベルギー、チェコ、フランス、イタリア、ポーランド、スペインの欧州6カ国。農家1,700世帯、製粉所13ヶ所、農業団体21機関が参加している。2017年のハーモニー・イニシアチブ小麦の生産量は17万7,000tで、西欧のビスケット製造に必要な小麦量の3分の2、欧州全域では60%に相当。LU、Oro、LiGA、Fontaneda等の製品ブランドに使用されている。2022年までに、その割合を100%にし、生産量は28万tに増加、belVita、Milka、Barni等のブランドにも使用拡大する予定。
ハーモニー・イニシアチブは、10年前にフランスで開始。欧州の生物多様性の維持と環境に配慮した小麦生産のベストプラクティスを構築することが目的で、参加農家はイニシアチブの基準を遵守した生産を行うことで、水使用量の制限、土質の改善、生物多様性の保護、そして二酸化炭素排出量の削減につながる。それにより所得も向上できる。同イニシアチブには、NGOや農業学者、環境専門家、調査機関も協力。毎年基準順守の監査が行われている。
2009年から2016年までの間、ハーモニー・イニシアチブに参加した農地における殺虫剤使用量は20%削減された。また欧州中で1,026haの土地が花栽培に使用され、1700万頭のハチや30種類以上の蝶が確認されている。
【参照ページ】Mondelēz International Expands Its Sustainable Wheat Program to Cover 100% of European Biscuits by 2022
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