南アフリカの鉱業業界団体「鉱業会議所(MCSA)」は3月27日、同国鉱物資源が2017年に策定し、2018年9月27日に改定した「南アフリカ採掘・資源産業のための黒人経済力強化憲章(採掘憲章)」を不服とし、裁判所に対して適法性のレビューを申請した。改定憲章では、不服申立は策定後180日以内のみ有効とする規定があり、鉱業会議所はギリギリのタイミングで不服申立を司法当局に行った。
南アフリカでは、黒人の地位回復を目的とし「黒人経済力強化政策(B-BBEE)」が採用されている。同政策は、企業に対し、黒人の株式構成比率を一定以上とする義務を定めるとともに、経営支配、技能開発、企業及びサプライヤーの発展、社会経済の発展も含めた5つの観点でポイント制を定め、政府調達等の要件にしている。また、重要セクターでは個別に「憲章」が制定され、BEEの基準値を上回るルールが適用されている。
2017年に策定された「採掘憲章」では、新しい採掘権を取得する企業は、株式のうち26%以上を黒人や黒人法人が保有することを義務化していた。しかし2018年の改定では、この割合が引き上げられ、20%を黒人や黒人法人(そのうち5%以上が女性)が、5%を従業員が、5%を鉱区のある地域社会が保有することを義務化した。
その他、採掘憲章では、工具のうち70%以上は黒人法人から、全サービスのうち80%以上は黒人法人から調達することを義務付けており、取締役の半数は黒人、20%は女性とすることも義務化している。上級管理職でも60%以上が黒人、25%以上が女性とするルールも定められている。
鉱業会議所は、株式の強制配分割合が引き上げられたことで、投資家からの資金調達が困難になることを懸念し、同条項の撤廃を求めている。
【参照ページ】MINERALS COUNCIL FILES APPLICATION FOR REVIEW OF MINING CHARTER 2018
【参照ページ】Here’s a look at South Africa’s revised Mining Charter
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