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【国際】フェアトレード機関、新型コロナ対策で農家への支援拡充。米国ではウォルマートと協働

 フェアトレード推進国際組織フェアトレード(FLO)インターナショナルは4月1日、新型コロナウイルス・パンデミック対策として、フェアトレード認証で受け取ったプレミアム額の用途を緩和する新たなガイダンスを発表した。新型コロナウイルス感染防止のための物品購入等に充てることができるようにした。

 フェアトレード認証では、通常の販売価格の上乗せ金額「プレミアム」を乗せて販売するスキームを採用している。2018年のプレミアム獲得額合計は1.87億ユーロ(約220億円)。プレミアムは、各国のフェアトレード生産者機関が管理しており、通常は農家の生産支援や技術改善等に使うことが規定されている。しかし今回、感染予防策が重要になったことを受け、マスクやその他の個人用衛生用品の購入や配布、衛生キャンペーンの実施にも支出することができるようになった。また、通常は使途はFLOの年次総会で承認を受ける必要があるが、事後報告でよい形にした。

 新型コロナウイルス感染予防策として展開されている外出規制・抑制の影響を受け、フェアトレード認証農家でも、作付ができなかったり、売上が落ちる等の影響が出ている。今回、プレミアムを管理方針を定めるフェアトレード・プレミアム委員会は9月30日まで、プレミアム基金の積立額の同額まで農家に対し現金もしくは消耗品現物で支給できる権限を付与した。これにより通常よりも農家が受け取れる金額が20%から50%程度増額される見込み。

 さらにFLOインターナショナルは、各国の認証生産者団体に対し、労働者の人権と自由の尊重、給与支払の継続、自己隔離に必要な資金の提供、勤務中のソーシャル・ディスタンシングの確保等を求めた。

 FLOインターナショナルには現在、19の各国フェアトレード認証団体と3つの生産者団体が加盟している。一方、北米ではフェアトレードUSAが、FLOインターナショナルとは独立した組織として、フェアトレード認証の運用を実施している。そのフェアトレードUSAも4月1日、ウォルマート財団から新型コロナウィルス・パンデミック対策として寄付金140万米ドル(約1億5,100万円)を受け取ったと発表。今後30ヶ月間で、生産者の地域におけるニーズを評価・分析をするための新たなツールを開発していくとした。

 今回のツール開発では、一般公開されるウェブサイトの立ち上げ等を実施。フェアトレードのサプライチェーンに関する情報を公表する。まずメキシコとコロンビアで試験的に導入する。

 フェアトレードUSAは、受け取ったプレミアムを活用し、49カ国での農家支援プロジェクトを展開。2019年の支援額は約6,000万米ドル(約65億500万円)。

【参照ページ】NEW GUIDANCE FROM FAIRTRADE BOOSTS ACTION TO PROTECT FARMERS AND WORKERS DURING COVID-19 PANDEMIC

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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