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【日本】気候ネットワーク、経産省の「低効率石炭火力縮小」発表を批判。現行路線と目標変わらず

 環境NGO気候ネットワークは7月6日、梶山弘志経済産業相が7月3日に記者会見の中で発表した低効率石炭火力発電の縮小検討について声明を発表。内容は、脱石炭にはほど遠く「石炭の長期延命策」であることが鮮明になったと批判した。

【参考】【日本】経産省、低効率石炭火力廃止や輸出厳格化の意向表明。このニュースの読み解き方(2020年7月4日)

 気候ネットワークは、他の環境NGOとともに7月3日にも声明を発表し、発表では具体的な進展が確認できないと批判していた。今回は、その声明を補足する形で、同NGOが試算した将来見通しを発表。経済産業省の発表どおりに、低効率石炭火力発電が約100基廃止になり、設備容量も88%縮小したとしても、新設している高効率石炭火力発電所は、2018年比で追加で18基、設備容量も12GW増えることとになり、2030年以降も設備容量は35GW維持されると伝えた。

 低効率石炭火力を縮小した効果による二酸化炭素排出量は推計で、日本の総排出量の5%から10%に相当する約6,400万tから1億2,200万t。電源構成では、石炭火力の割合は24%から27%程度と現在の32%よりは下がるものの政府の2030年の石炭火力割合見通しの26%程度に推移するとみられる。そのため、既存の政策からの転換とはならないとした。

 同NGOは、今回の経済産業省の発表は、パリ協定の目標に整合的な先進国に求められる水準である2030年にゼロにはほど遠いとした。また、廃止ではなく休止も含まれ、「休止」では容量市場で費用が支払われる対象となりかねず、2030年に至るまでのそれらの経路も不明と強く懸念を表明した。


(出所)気候ネットワーク

 気候ネットワークの発表からは、現行路線からの実質的な変化はなく、みせかけの前進を「アピール」することによる政権のイメージアップの可能性も透けて見える。本当に石炭火力発電が縮小するかは、2030年の電源構成割合目標で示すまでは、軽んじて判断ができない。

【参照ページ】【追加分析資料】政府方針「非効率石炭火力発電100基の休廃止」に関する考察 脱石炭にはほど遠い「石炭の長期延命策」であることが鮮明に(2020年7月6日)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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