石油・ガス大手12社の気候変動対応イニシアチブ「石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)」は7月16日、上流工程での原単位二酸化炭素排出量を2025年までに削減する目標を発表した。但し、同業界に対し、最も重要となる下流工程での削減目標については触れなかった。
OGCIの現在の加盟メンバーは、エクソンモービル(米国)、シェブロン(米国)、オクシデンタル・ペトロリウム(米国)、BP(英国)、Eni(イタリア)、レプソル(スペイン)、サウジアラムコ(サウジアラビア)、ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)、エクイノール(ノルウェー)、トタル(フランス)、ペトロブラス(ブラジル)、中国石油天然気集団(CNPC)(中国)の12社。発足当初から多少の入れ替わりを経ている。
【参考】【国際】石油・ガス大手気候変動対応推進OGCI、米系3社が初加盟し合計13社に(2018年9月25日)
今回発表の目標では、OGCI加盟企業全体の1バレル換算量生産当たりの原単位二酸化炭素排出量を2017年の23kgから、2025年までに20kgから21kgの間に抑える。上流工程での二酸化炭素排出量には、メタンガス漏出、稼働設備の消費エネルギー、ガスフレア、商用車、施設電力等がある。今回の目標を達成すると、2025年までの累計で二酸化炭素排出量を3,600万tから5,200万t削減する効果があるという。削減のための施策では、省エネ、ガスフレア最小化、再生可能エネルギー電力の活用の他、炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)も念頭に入れる。
今回の目標設定の背景については、カーボンニュートラルな社会に向けての施策と説明したが、肝心の石油・ガス使用での二酸化炭素排出量削減については、一切触れなかった。また、液化天然ガス(LNG)とガス・ツー・リキッド(GTL)については、今回の目標設定の対象から外した。
【参照ページ】OGCI sets carbon intensity target
【参照ページ】Understanding OGCI’s carbon intensity target
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