【韓国・台湾】SK、LG化学、現代自動車、鴻海、EVとFCVで大規模投資。急変する世界市場に焦点 2021/01/09 最新ニュース

【韓国・台湾】SK、LG化学、現代自動車、鴻海、EVとFCVで大規模投資。急変する世界市場に焦点 1

 韓国と台湾の製造業大手は2020年末から2021年初旬にかけ、EVとFCVの分野に急速に舵を切る新アクションの発表を実施。EVとFCVへの完全転換に尻込みする日本の自動車産業とは対照的な展開となっている。

 韓国大手財閥SKグループと米燃料電池(FC)開発大手プラグ・パワーは1月6日、戦略的提携を発表した。SKグループがプラグ・パワーに15億米ドル(約1,520億円)出資して株式を9.9%獲得し、最大株主となった。両社は韓国にアジア市場開拓用の合弁企業を設立する。

 プラグ・パワーは、DTEエナジーとメカニカル・テクノロジーの合弁会社として1997年にニューヨーク州ラッサムに設立され、2002年にナスダックに上場。当初は燃料電池フォークリフトで市場を開拓し、ウォルマート、ホーム・デポ、NIKE、メルセデス・ベンツ、BMW等が早くに導入を決めた。2017年にはアマゾンも同社の燃料電池フォークリフトの導入を決定。米国全体の燃料電池フォークリフト市場をほぼ独占している。

 プラグ・パワーは2017年に、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池トラック用の燃料電池エンジン「ProGen」を発表。2020年9月には産業用ガス世界大手で水素事業にも力を入れるリンデと覚書を交わし、リンデの配送車両にProGenを採用する実証プロジェクトを進めている。また最近では、ドローン、航空機、発電用の燃料電池の活用にも事業拡大中。

 SKグループの持株会社SKホールディングスは2020年12月、エネルギー子会社SK E&S、建設子会社SK建設、化学子会社SKイノベーション等の関連会社から専門人材20人を集めた「水素ビジネス・チーム」を組成。SK E&Sが、液化水素を2023年から年間3万t生産し、2025年からはガス改質型の水素生産を年間25万t規模で開始すると表明しつつ、最終的には再生可能エネルギーでの水電解型のグリーン水素の生産を開始すると発表している。SKイノベーションは、石油化学プロセスでの副生水素を供給する。SKグループは、グループ全体での水素事業の売上を2025年までに30兆ウォン(約2.9兆円)にすることを目標として設定している。

 また、韓国化学大手LG化学から2020年12月に分離独立したバッテリー子会社LGエネルギー・ソリューションは2020年12月末、インドネシア投資調整庁(BKPM)との間で、インドネシア国内での電気自動車(EV)バッテリーの生産に98億米ドル(約1兆円)を投資することで覚書(MOU)を締結している。インドネシアは、リチウムバッテリーに必要なニッケルの生産大国で、自動車関連やバッテリー各社からの投資が相次いでいる。

 LGエネルギー・ソリューションは、韓国に7,000人、国外に15,000人の従業員数を抱え、韓国、米国、中国、ポーランドに生産工場を、韓国、米国、中国、ドイツにR&Dセンターを持つ。2020年の売上は13兆ウォン(約1.2兆円)で、2024年には売上30兆ウォン(約2.9兆円)を目指している。

【参考】【インドネシア】CATL、EVバッテリー工場を5200億円で建設。世界最大のニッケル生産・輸出国(2020年12月27日)

 一方、韓国自動車大手の現代自動車は1月8日、EVの分野で米アップルとの協業検討の協議が進められていることが明らかにされた。まだ、決定事項ではないというが、アップルは2024年頃に市場参入すると噂されているEVで、提携先の自動車メーカーを探している模様。資本力とブランド力のあるアップルが、EVで現代自動車をパートナーに選ぶと、現代自動車の市場での存在感は非常に大きくなると言える。

 EV市場は、世界的に大きく盛り上がってきている。ノルウェーでは、道路交通情報評議会(OFV)のデータによると、2020年に初めて、EVの年間新車登録台数が54.3%を占め、ガソリン・ディーゼル車を上回った。2019年は42.4%だった。販売台数が多かった車種は、アウディのe-トロン、テスラのモデル3、フォルクスワーゲンのID.3、日産自動車のリーフ。全てハイブリッド車(HV)ではなく、EV。

 台湾では、電気電子大手・鴻海科技集団(Foxconn)が1月4日、中国EVベンチャー拜騰汽車(BYTON)及び南京経済技術開発区との間で、BYTONの第1号EV車種「M-Byte」を2022年第1四半期までに量産体制を開始することで戦略的提携を締結した。BYTONは2017年に創業し、2020年6月に当局から自動車生産ライセンスを取得。南京での工場建設を予定している。

 M-Byteは、BYTONが2019年にドイツ・フランクフルトでのモーターショーで初公開。しかし現在、資金繰りから経営難に陥っており、今回、鴻海科技集団が資金面でバックアップする形となる。

 鴻海科技集団は10月19日、電気自動車(EV)開発ソフトウェア及びハードウェアのオープン・プラットフォーム「MIH」を発表している。今回のBYTONとの提携では、同社が構想するプラットフォーム型の生産体制が構築されるかもしれない。

【参照ページ】PLUG POWER AND SOUTH KOREAN SK GROUP TO FORM A STRATEGIC PARTNERSHIP TO ACCELERATE HYDROGEN ECONOMY EXPANSION IN ASIAN MARKETS; PLUG POWER TO RECEIVE $1.5 BILLION STRATEGIC INVESTMENT FROM SK GROUP
【参照ページ】BYTON and Foxconn Announce Strategic Partnership

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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