自動車世界大手米フォードは5月26日、新たな事業戦略「FORD+」を発表。2030年には世界全体での新車販売台数のうち40%が電気自動車(EV)となる見通しを示した。同社はこれまで欧州市場で2030年までに全てEVとする目標を示していたが、世界全体でも大幅にEV化を進める戦略を示した。
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今回同社のジム・ハーレーCEOは、自動車をデジタル化・コネクテッド化し顧客体験を追求するための次世代クラウド・プラットフォーム「Blue Oval Intelligence」を戦略の柱に据え、自動車もEV化していくことが、収益性の上昇につながると強調した。
具体的な方針としては、EV化及びバッテリー開発の分野に2025年までに300億米ドル(約3.3兆円)以上を投入。sの上で、2030年までに新車販売台数のEV比率を40%にまで高める。戦略車種は、乗用車タイプの「マスタング・マッハE」、ピックアップトラック車種「F-150 Lightning」、商用バン車種の「E-Transit」。EVバッテリー開発では、EVバッテリーの大規模研究センター「Ford Ion Park」の建設や、韓国化学SK大手イノベーションとのEVバッテリーモジュールの開発・生産合弁会社「BlueOvalSK」が重要な施策となる。
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また同察は、商用車や政府車両向け事業「Ford Pro」も発足する。具体的には、車両販売だけでなく、関連サービスを提供し続けるビジネスモデルを展開。従業員の自宅でのEV充電サービス等も始まる。これらにより、事業を2019年の270億米ドルから2025年には450億米ドルにまで伸長させる。
コネクテッドでは、2021年末までにOSのアップデートを通信で行う車両台数で100万台を突破し、2022年7月までにテスラの台数も凌駕する。2028年には通信でのアップデート可能な車両を3,300万台にまで増やす。また、アップル、アマゾン、グーグル、百度等の最新テクノロジーにも接続できるようにしつつ、同社独自の「Ford Pass」「Lincoln Way」等での顧客体験も追求する。これらの関連サービスでの売上も2030年までに200億米ドルを目指す。
【参照ページ】SUPERIOR VALUE FROM EVS, COMMERCIAL BUSINESS, CONNECTED SERVICES IS STRATEGIC FOCUS OF TODAY’S ‘DELIVERING FORD+’ CAPITAL MARKETS DAY
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