23ヶ国・地域が加盟する国際会合「ミッション・イノベーション(MI)」は7月13日、エネルギー素材の研究開発促進イニシアチブ「Materials for Energy(M4E)」を発足したと発表した。カナダ政府とドイツ政府が共同議長を務め、米国も積極参加する。
【参考】【国際】脱炭素に向けた政府間経済会合、主要国がリーダーシップ発揮。経産省の遅れ目立つ(2021年6月6日)
M4Eの狙いは、再生可能エネルギー、水素、バイオ燃料、バッテリー、炭素回収・利用・貯留(CCUS)の素材開発を促進し、クリーンエネルギーのコスト削減を図ることにある。クリーンエネルギーコストの50%から80%を材料が占めており、材料・素材開発は大きな可能性を秘めている。他にもセメントやコンクリートでの二酸化炭素排出量の削減のための素材開発も対象とする。
M4Eは、「人工知能」「スマートロボティクス」「ハイパフォーマンス・コンピューティング」の3つの先端技術を駆使した開発プラットフォーム「Materials Acceleration Platforms(MAPs)」を構築。従来の素材開発の10倍以上の速度で開発を進めることを目指す。
MAPsの先行事例としては、カナダの「Project Ada」や「Matter lab」、ドイツの「Amanda1」、英国の「MIF」、米国の「ARES」や「Lego Chemistry」があるという。M4Eでは、カナダが7,000万カナダドルを投じて建設を進めるCAMDI(Centre for Accelerated Materials Discovery and Innovation)とも連携。さらに、ドイツ・カナダ材料加速センター(GC-MAC)、欧州委員会の先進材料の自律的発見「ADAM」、ストレージ研究基盤エコシステム(StoRIES)、バッテリーインターフェースゲノム-材料加速プラットフォーム(BIG-MAP)からも助成金を受ける模様。
M4Eは、カナダが主導した「Clean Energy Materials Innovation Challenge(IC6)」での成功を受け、発展して組成されたもの。IC6には、米国、英国、欧州委員会、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オーストラリア、韓国、インド、サウジアラビアが参加。日本は参加しなかった。
【参照ページ】Collaborating to accelerate the development of new clean energy materials
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