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【国際】機関投資家団体CA100+、先進国の電力会社に2035年カーボンニュートラル要求。再エネ大幅増

 機関投資家の気候変動アクション・イニシアチブClimate Action 100+(CA100+)は10月20日、世界の電力会社に対し、2050年までに国際エネルギー機関(IEAの)の「NZ2050シナリオ」に沿った2050年までのカーボンニュートラル行動計画を策定すべきとするレポートを発表した。Climate Action 100+の構成機関の一つ、IIGCCが作成を担当した。

【参考】【国際】CA100+、ターゲット167社の2021年度評価スケジュール発表。結果は3月に公表(2021年10月6日)
【参考】【国際】IEA、「世界エネルギー見通し2021」発行。原油需要も将来減。原発はやや増程度(2021年10月14日)

 今回の発表は、Climate Action 100+が、1.5℃目標と整合性のあるロードマップに向けて作成しているセクター毎の要求レポートの一環。すでに航空、鉄鋼、食品向けが発表しており、今回が電力向けのレポート。

 NZEシナリオでは、再生可能エネルギーの比率が2050年の電源構成で、再生可能エネルギー(水力除く)が約7割、水力発電が約1割、原子力発電が1割弱、化石燃料火力発電はゼロとなる。2030年段階でも、化石燃料火力発電は25%程度で、原子力発電が約10%、再生可能エネルギーが5割強。

 同レポートは、「既存の目標を10年から15年前倒しする等、緊急かつ加速的な野心が必要」と言及。具体的な要求事項をまとめた。

  • 2040年までに世界全体で、2035年までに先進国で、発電事業でカーボンニュートラルを達成。2030年までに50%以上の二酸化炭素排出量削減を達成
  • CCUS(炭素回収・利用・貯留)への依存を最小限に抑え、カーボンオフセットの使用を回避して発電量でカーボンニュートラルを実現。CCUSのない(Unabated)石炭火力発電を段階的に廃止する期限を設定
  • 石炭火力発電新設への投資を直ちに停止。天然ガス火力発電の新設では、2040年までに世界全体で、先進国では2035年までにカーボンニュートラルを実現することにコミット
  • 暖房用の天然ガスを中心に、すべての販売・分散型エネルギーにカーボンニュートラル目標を設定
  • カーボンニュートラルへの移行による社会への影響を抑制する方法と責任主体を取締役会で決定し情報開示

 CA100+は10月11日には、韓国政府の大統領直属のカーボンニュートラル委員会に対し、同様に、「NZ2050シナリオ」に沿った削減目標の策定を要求。6.7兆米ドル(約770兆円)の機関投資家が署名していた。その後、韓国の同委員会は10月28日、2050年カーボンニュートラルのロードマップと、2030年の国別削減目標(NDC)を決定している。

【参考】【韓国】大統領直属委員会、2030年のCO2削減を40%に引き上げ。石炭から再エネシフト鮮明(2021年10月19日)

【参照ページ】CLIMATE ACTION 100+ SETS DECARBONISATION EXPECTATIONS FOR ELECTRIC UTILITY COMPANIES TO ACHIEVE NET ZERO EMISSIONS GLOBALLY BY 2040
【レポート】GLOBAL SECTOR STRATEGIES: INVESTOR INTERVENTIONS TO ACCELERATE NET ZERO ELECTRIC UTILITIES
【参照ページ】CLIMATE ACTION 100+ INVESTORS ENCOURAGE KOREAN REPUBLIC PRESIDENTIAL COMMITTEE ON CARBON NEUTRALITY TO SUPPORT COMPANIES WITH CLEAR 2050 DECARBONISATION PATHWAYS

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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