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【国際】アジアインフラ投資銀行、2023年に7月からパリ協定との整合性確保。全案件が対象

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)は10月26日、2023年7月1日までにパリ協定の目標に合わせて事業を行うと発表した。AIIBは今年初め、2025年までに気候関連ファイナンスの金額を全体の50%以上にする目標を設定。今回、さらにパリ協定との不整合プロジェクトにはファイナンスしない方針を固めた。

 今回の決定の対象は、金融仲介機関を介して行われる投資を含め、国対象及び国対象以外の全てのプロジェクトに適用される。パリ協定との整合性の検証では、他の国際開発金融機関と協力して策定中の国際基準やフレームワークを活用する。またAIIBは2020年に、仏投資運用大手アムンディと共同で「AIIB-アムンディ気候変動投資フレームワーク」を策定。気候変動緩和、物理的リスクへのレジリエンス、グリーン経済へのトランジションの3つの観点で定量化可能な投資指標に変換し、気候変動リスクを投資機会で分析できるようにもしている。

【参考】【国際】AIIBとアムンディ、AIIB加盟国へのグリーンボンド投資で約1100億円のファンド創設(2019年9月14日)

 今回の発表では、気候変動対策の中でも、気候変動適応に対するファイナンスを強調した。特に、防潮堤、建築基準の改善、リジリエンス関連のインフラ等を挙げた。これらの適応策への資金アクセスが、発展途上国には不可欠とした。国連によると、2030年には年間のレジリエンスコストが1,400億円から3,000億米ドルになると推定されているにもかかわらず、現状のレジリエンス・ファイナンスはわずか300億米ドルに過ぎないという。

 AIIBは今回、気温上昇を1.5℃に抑える目標には、現状はあまりにも程遠く、発展途上国でも新興技術を活用することが鍵になると言及。AIIBは、2030年までに気候変動ファイナンスの累積総額が500億米ドルになると見込んでおり、2019年の金額発表以来、4倍にまで増加。2020年の気候変動ファイナンスが全体占める割合も41%にまで到達した。

【参照ページ】AIIB to Fully Align with Paris Agreement Goals by Mid-2023

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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