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【EU】欧州委、ウクライナの農作物輸出を支援する枠組み発表。国境付近の物流網強化

 欧州委員会は5月12日、ウクライナの農産物輸出と家畜飼料や肥料などを含む輸入支援、人道支援も行う「連帯レーン」のアクションプランを発表した。

 今回の発表は、ロシアのウクライナ侵攻と港の封鎖により、ウクライナの穀物やその他農産物が輸出ができず、ウクライナ国内に必要な物資が届かない状況に対処するためのもの。3ヶ月以内に2,000万tの農産物をウクライナから輸出する必要がある。

 現在ウクライナとEU間の国境付近では、通関手続きのため、数千台の物流用のトラックなどが待機している。平均待機時間は16日間、一部の国境付近では30日間も待機する必要がある。通関手続きだけではなく、鉄道車両の規格違いの課題も大きい。ウクライナの鉄道軌間は1520mm幅だが、EU標準軌間は1435mm幅であるため、荷物を積み替える必要がある。

 輸送のボトルネックに対応するため、4つの短期アクションと中期的な施策を実施する。

 短期アクションの1つ目は、貨物用鉄道車両、船舶、トラックの追加。欧州委員会は、EUの市場関係者に緊急で追加車両を提供するよう要請。専用の物流マッチングプラットフォームを用意し、加盟国に専門組織(ワンストップショップ)を立ち上げるよう求め、需要と供給を一致させることでスムーズな輸送を実現する。

 2つ目は、物流網と積み替えターミナルのキャパシティの拡張。ウクライナの農産物輸出の優先度を上げることにより、鉄道の発着枠を優先的に利用できるようにする。また、積み替えを迅速に行うための移動式大型機械を国境ターミナル付近に移動させるよう市場関係者に要請する。同時に、EU内事業者がウクライナで損害が発生した場合の保証金の上乗せも検討し、ウクライナ入国を促す。

 3つ目は、税関・検疫業務の調整。加盟国に対し、国境付近の人員増加、税関業務の簡素化、検疫業務を統計的なアプローチに基づいた最低限のサンプリングに留めるなどの簡略化。

 4つ目は、EU内での物資の保管。加盟国と協力し、EU内のウクライナの輸出品の一時保管能力を高めることを支援。

 中長期的には、インフラに特化した政策基金であるコネクティング・ヨーロッパ・ ファシリティ(CEF)の募集要項に、鉄道車両やターミナルなどウクライナとの物流を支援する案件提案を含めた。また、欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)を近隣諸国へ拡大する政策の一環として、ウクライナとのハイレベル会合を新設することを視野にいれた決議を採択した。

【参照ページ】Commission to establish Solidarity Lanes to help Ukraine export agricultural goods

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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