国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は12月21日、オフグリッドの再生可能エネルギーに関する報告書を発表した。2012年から2021年までの10年間のデータを公表し、世界で大幅に設備容量が増加してきたことを示した。
世界には基本的なエネルギーアクセスのできない人が依然として7億3,300万人以上おり、オフグリッドや分散型のエネルギーシステムは、特にエネルギーアクセス率の低いサハラ以南のアフリカや南アジアにとって重要な手段となってきている。
そこで、同報告書は、2012年から2021年まで10年間の発展途上国でのオフグリッドの発電設備容量、バイオガスの生産量、双方の利用人数の推移を報告したもの。再生可能エネルギーによるオフグリッド発電量はほとんどの国で記録されていないが、行政データとIRENAの調査を組み合わせて世界の傾向を明らかにした。
同報告書では、オフグリッドの太陽光発電による照明の利用人数は2012年の1,540万人から2021年には1.1億人に増加し、特にアフリカでは5,260万人が利用。電気を利用できない農村部では灯油ランプやろうそく等を活用することが多く、排出される煙により健康問題を引き起こす問題を抱えていた。代替品としてオフグリッドの太陽光発電のライトが活用されてきている。
また、各国のエネルギー政策では電気以外の支援が軽視されており、特に調理エネルギーに対する支援が不足している。調理用バイオガスを活用している人数は、2012年から2021年までほぼ横ばいで1.2億人以上。薪や炭を利用した調理は室内汚染の原因となり女性や子供の健康を害するが、クリーンな調理用バイオガスが普及し生活環境の改善や気候変動の影響緩和に役立っている。
【参照ページ】Off-Grid Sector Emerges to Plug Energy Access Gaps
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