
水産庁は7月8日、2026年4月1日に施行される改正漁業法及び改正水産流通適正化法の説明資料やリーフレット、Q&Aファイルを公表した。採捕事業者と龍事業者のトレーサビリティが強化された。
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)では2024年12月の年次会合で、日本の太平洋クロマグロの漁獲上限が、30kg以上の大型魚に関しては5,614tから8,421tに増加。30kg未満の小型魚も4,007tから4,407tに増加している。また、小型魚から大型魚への漁獲枠振替に当たっての特例措置も、小型魚の10%(2024年までは305)までとなっていた適用上限が撤廃された。
一方、漁業法に基づく漁獲可能量(TAC)報告義務に違反した太平洋クロマグロが日本国内で流通する事案も発生しており、漁業法と水産流通適正化法が改正、強化された。
今回の法改正では、TACによる資源管理を行う水産資源のうち、特に厳格な漁獲量管理が必要な水産資源を省令で指定できる「特別管理特定水産資源」制度が導入され、太平洋クロマグロの大型魚が指定されている。特別管理特定水産資源については、現行の漁獲量に加え、採捕した個体数の報告と、TAC報告記録の保存義務化が決定。特別管理特定水産資源に関する報告義務違反に関する罰則も、従来の6月以下の懲役、30万円以下の罰金から、1年以下の懲役、50万円以下の罰金へと引き上げられている。
また、水産流通適正化法の改正では、特別管理特定水産資源に指定された太平洋クロマグロの大型魚に関し、採捕事業者から取得した事業者から、解体もしくは輸出するまでの各段階の全事業者に関し、所管の農林水産省もしくは都道府県に対する届出を義務化(但し、アワビ、ナマコ、うなぎの稚魚(全長13cm以下)ですでに届出済みの場合は不要)。解体は「ドレスの状態(頭と尾が切り落とされ、えら及び内臓が取り除かれた状態)まで」が解体前と定義されている。
さらに、採捕事業者から解体もしくは輸出までの流通に関する各事業者は、取引相手に対し、採捕事業者名、採捕船舶等の名称、個体の重量、陸揚げ日を伝達することを義務化。取引記録も作成し、3年間保存しなければならない。情報の伝達は、伝票や個体管理タグで行う。同ルールは、養殖マグロにも適用される。輸出する場合には、輸出先への信頼獲得等を狙い、農林水産省から「適法漁獲等証明書」を取得することも必須となる。
但し、冷凍した太平洋クロマグロについては、「加工品」とみなされ、同制度の適用対象外扱いとなった。現在、日本国内に流通している太平洋クロマグロのうち、解体前に生鮮・冷蔵状態で流通しているものが、年間で天然物が約1万t、養殖物が約2万tなのに対し、主に輸入等で冷凍状態で扱われているものが概ね20万t前後と観測されており、大半の太平洋クロマグロで引き続きトレーサビリティが確保されないままとなっている。
英環境シンクタンクのプラネット・トラッカーは6月、機関投資家に向け、水産世界大手30社のまぐろ漁トレーサビリティに関する大規模調査レポートを発表しており、多くの企業が開示していないと警鐘を鳴らしている。
【参考】【国際】まぐろ漁世界大手30社、IUU漁業対策完全実施が1社のみ。日系4社も改善指摘(2025年6月28日)
【参照ページ】水産流通適正化法に係る周知・普及啓発資料
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