IT世界大手米IBMは3月26日、新型コロナウイルス・パンデミック対策に向け、米科学技術政策局や米エネルギー省と連携し、「COVID-19ハイパフォーマンス・コンピューティング・コンソーシアム」を発足したと発表した。高性能コンピューティングシステムにより、新型コロナウイルスや治療法の研究を加速するため、空いているスーパーコンピューターを結集する。
同コンソーシアムには、IBM、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、ローレンスリバモア国立研究所、アルゴンヌ国立研究所、オークリッジ国立研究所、サンディア国立研究所、ロスアラモス国立研究所、米国立科学財団、米航空宇宙局(NASA)、マサチューセッツ工科大学、レンセラー工科大学等が参加。動員リソースは77.5万CPUコア、3.4万GPU。処理性能は330ペタフロップス以上となる。
同スーパーコンピューターは、疫学、バイオインフォマティクス、分子モデリングにおける膨大な計算を高速で実行可能。新型コロナウイルスの突起タンパク質との結合可能性が最も高い化合物8,000種をスクリーニングし、有望な低分子薬物化合物77種を推奨することができるとした。同様の処理は、手作業で数年、従来の低速コンピューター処理で数か月要するという。
IBMは、今後コンソーシアム参加企業と協働し、取り組みの拡大を目指す。世界中の研究者の提案を評価し、最も直接的に効果が見込めるプロジェクトにスーパーコンピューターへのアクセスを提供するとした。
他にもIBMは3月22日、テック・コンテスト「2020 Call for Code Global Challenge」の応募を開始。今年は、気候変動に加え、新型コロナウイルスもテーマに選んだ。IBM Cloudのオープン・ソース開発プラットフォームを使用したアプリケーションの応募を、7月31日まで受け付け、優勝者には賞金20万米ドル(約2,200万円)と、実用化に向けてのサポートが得られる。
またIBMは3月25日、米国内での各地点での感染状況を示すアプリを開発し、ウェザーニュース・チャネルのアプリ上で見られるようにした。世界保健機関(WHO)、連邦政府、州政府等のデータをIBMのAI「ワトソン」で解析し、周囲の感染状況を個々人でチェックできるようにした。
【参照ページ】IBM helps bring supercomputers into the global fight against COVID-19
【参照ページ】2020 Call for Code Global Challenge
【参照ページ】IBM Offers Free Tools Based on Trusted Data to Track COVID-19 Cases on Your Phone and Online
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