米海洋大気庁(NOAA)は12月14日、北極圏の気象・環境分析レポート「北極圏レポートカード」の2021年版を発表した。今回が16年目。分析結果は査読され、今回は12カ国111名の科学者が執筆に参画した。
2021年は、北極海の冬季後の海氷量が、2010年の記録開始以来、4月に最少を記録。夏季にも、生物学的に重要な古い多年氷の量が1985年の記録開始以来2番目に少ない年となった。
グリーンランドでは、8月には、氷床の標高10,500フィートの山頂で史上初めて降雨が観測。数十年にわたって比較的安定していた氷床も、1998年以降ほぼ毎年減少している。
10月から12月にかけては、北極圏の秋としては記録的な暖かさで、年間(2020年10月~2021年9月)を通じても、北極圏の平均地表面気温は、過去7番目に暖かかった。北極圏の気温上昇は地球の他の地域の2倍以上の速さで進行している。海洋酸性化のペースも世界で最も速い。
夏のユーラシア大陸の北極圏での無雪期間は、1990年以降で最長。2021年6月の北米北極圏の積雪量は、15年連続で長期平均値を下回った。北極圏欧州の6月の積雪量は、過去15年間のうち14回、平均を下回っている。
9月の海氷面積は、記録上12番目に少なかった。記録上のトップ15件は、全て過去15年に発生。1979年以降の北極海の海氷面積の大幅な減少は、気候変動の最も象徴的な指標の一つ。
ホック券の海氷減少により、海運等の商業活動が北極圏の奥深くまで入り込み、海岸に集まるゴミや破片が増加。海洋哺乳類のコミュニケーション能力が妨げられるおそれがあるという。
【参照ページ】Arctic Report Card: Climate change transforming Arctic into ‘dramatically different state’
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