スイスのノバルティス持続可能開発財団が11月29日に開催された自社シンポジウムの中で、ハンセン病撲滅に向けた新たなアプローチを発表した。
「ハンセン病撲滅のために一体何が必要か」を掲げたシンポジウムには、各国から集った専門家が意見を交わした。その中で、ノバルティス持続可能開発財団は、ハンセン病撲滅の新戦略として、早期診断・早期治療、元ハンセン病患者との接触者把握などを掲げた。
ノバルティス持続可能開発財団により、1981年以降1500万人のハンセン病患者が治癒されてきた。しかし、依然としてここ8年間、毎年新たに23万人がハンセン病と診断され続けている現状がある。ハンセン病の感染者が減少することで、政府の取組も年々小さくなってきてしまっている。前WHO天然痘根絶キャンペーンのリーダーであるDonald Henderson教授は「ハンセン病を根絶するためには、安定したワクチン供給と大感染への監視が必要だが、そのためには個々のコミュニティの協力と各国政府の強いコミットが必要だ」と述べた。
ノバルティス持続可能開発財団は、ハンセン病撲滅に向けて画期的な手法を今後も開発していくという。同財団は製薬会社NovartisのCSRの一環として、国際健康改善、特に途上国での医療サービス提供に尽力してきた。今では、同財団は製薬企業、国際機関、NGOの架け橋役として欠かせない存在になってきている。CSRの一環として財団をつくる動きは欧米では少なくない。日本企業もそれに倣う企業が出てくると思うが、財団をつくると同時に「その財団で何を成し遂げるのか」というミッションを掲げることも、財団をつくるのと同じぐらい重要なのだ。
【財団サイト】Novartis Foundation
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